幸せへの道とする ページ35
《気持ち悪い…その傷跡を私にも人様にも見せるんじゃないよ!お前なんか生まなければよかった》
《ッチ!うるせぇっ!!喚くんじゃねぇよっ!!おいこのガキお前が捨てて来い!!!》
《嫌だよそんな奴触りたくもない!!あんたが捨てて来ればいいだろう?!》
《はぁ!?ざけんじゃねぇぞ!!おい!!………あ、イイこと思いついたわ》
《…あたしは犯罪の片棒は担ぐ気はないよ、》
《いや、こいつ森に放置すればいいだろ。まだ4歳なんだからわかんねぇだろうし?》
《…あんた……天才じゃないか!!おい○○!あんたにこれを探してきて欲しいんだけど……》
顔の見えない男女の下品で卑しい声が頭によぎり、こめかみ辺りが痛い。少しざらついた私の左目の傷跡を触りながらため息を吐く
(今さら、こんなことを考えても仕方ない…が、あの人達が私を手放してくれたおかげで、お父さんや三虎さん、トリコ達にも出会えたから……ある意味感謝はしている…)
嫌な気持ちを振り払うように首を振って、三虎さんの傷から指を離した瞬間、その手を掴まれてそのまま三虎さんの方に倒れこむ
『わっ、っぶ…!』
三虎「…すまん。」
『そ、そんな痛くなかったからへい、き…』
倒れた先が固いかと身構えたが意外と柔くて驚きながら顔を上げると三虎さんの少し眠そうな目と視線が合う。大きな手が私の左頬に伸び、傷に、触れた
三虎「……お前の方が、綺麗だ」
『……ぇ…………ぁ、あぁ、傷跡、傷跡な!///』
急にそう言われて一瞬自身の事かと思ってしまい固まるが、撫でられた場所から傷の事だとわかって自分の勘違いが恥ずかしくなり、起き上がろうとすると腰に腕を回されてまた同じように倒れこむ
三虎「…傷も、……………お前の、容姿も……」
『…………………え?』
三虎「……心も、な。」
『…………………えっ……と、三虎、さん……寝ぼけて、る?///』
いつもとは違う雰囲気を纏いながら私の事を撫で続ける三虎さんにドキマギしながら逃げ道を自分で作る。そんな私の事をじっと見てから急に小さく笑いだした
三虎「………っく、くっくっく……お前がそう思いたいなら、そう思えばいい…」
『な……』
そういって最後に頭を軽く撫でてから上体を私ごと起き上がらせた三虎さんの顔は優しくて、ポカンとしているといつの間にか三虎さんの腕の中に納まっていた
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作者名:reetlu | 作成日時:2022年4月4日 3時