嫌な再開と和んだ空気 ページ4
『すいません……結構、スタージュンさんの顔は1度見たら忘れなさそうですけれど…』
スタージュン「……そうか、」
私の態度に少し考え込んだスタージュンさんは、ハッとした。
スタージュン「腹は………その腹は、もう平気なのか?」
『え?腹?……いったい何の、』
そう私の脇腹を指さすスタージュンさんに何の話かと聞き返す
スタージュン「………リーガルマンモスで…君の腹を刺したのは、私だ。」
『……………え?』
そう言われて初めて、目の前の人物に目を見開く。さっきから初めて会った気がしなかったと感じていた私の感覚は間違っていなかったのかと、声を再度思い出す。
(…機械越しだったとしても、まさか、そんな……)
スタージュン「………思い出したようだな。」
『…おかげさまで、』
少し満足そうに笑ったスタージュンさんに、悪趣味だ、と思いながらグリンパーチさんの後ろに回る。
グリンパーチ「お?どうしたどうした〜?」
『いや……ちょっと……スタージュンさん、怖いんで……』
スタージュン「え、」
グリンパーチ「おぉ、そうか、よっとぉ…」
『おわっ、……?』
スッと高くなった目線、自分が持ち上げられていると気づいて、少しバランスを取ろうとするが、ストンと座らされた腕にはとんでもなく安定感がある
グリンパーチ「ヒッヒッ……これでいいんじゃねぇの?」
『…ありがたいんですが…………逆に距離は近くなってますね』
スタージュン「……そうだな、」
私を肩に乗せたことによって視線が一気に高くなり、スタージュンさんを見下ろす形になる。グリンパーチさんによって私の中の複雑の感情が落ち着く。
(……まぁ、こんなところで闘ったら三虎さんに何言われるかわからないし…あっちもそんな今は殺意を感じないなら…今はいいか。)
グリンパーチさんの肩からの視線が新鮮でキョロキョロしていると、つまらなそうにしたトミーがぴょんぴょんと跳ねて私に視線を合わせようとする
トミー「……A〜〜〜…」
『ふふ、トミー……、?』
届かないことに泣きそうな顔になったトミーにその背中にある羽で飛べば同じ視線に立てるのに、忘れているのかと、少し笑いながら降りようとするが、グッとお腹に腕を回されて降りることが出来ない。
『お、下ろしてくださいよ…』
グリンパーチ「…ぁー……」
自分でもなぜそんなことをしたのかわかっていないグリンパーチさんに私も戸惑う
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作者名:reetlu | 作成日時:2022年4月4日 3時