記憶に残った？ ページ13
アルファロ(……Aさん…あなたって人は…)
エルグ(…………？)
(……な…なんかさっきから私、へ、変じゃないかっ？！///)
もっと冷ますために手でパタパタと扇いでいると隅の方にいたアルファロさんがこちらに来る
アルファロ「…………Aさん、時間も限られていますし、次の支部長の所へ行きましょうか。」
『えっ、あ、そ、そうですね！？』
エルグ「……行くのか、………」
私の大きめの声に何か考え込んでいた様子のエルグさんがパッと顔を上げた
『あぁ…そのピンは使ってくれ。同じものを何個か持っているから気にしなくていい』
エルグ「わかった……もう付け方の覚えた。お前との時間は短いながら、刺激的だったぞ……」
『それならよかったよ。………じゃ、またな、エルグさん。』
渡したピンはしっかりと前髪を止める役割を果たしていて、本当に覚えが早いと考える。しかし最後に名前で呼ばれなかった寂しさ少し感じながら仕方ないか、と手を振り、背を向けた。
エルグ「あぁ………………A、…」
『！』
私が背を向けて扉に歩いている最中に控えめに呼ばれて振り返ると今度はちゃんと私の目を見る
エルグ「A、また、どこかでな。」
『…うん…ありがとう、エルグさん』
そう、きちんと私の名を呼んでくれた、エルグ。少し目が細まって笑っているように見える…下の顔をいつか見れるといいなと考えながら私は扉をくぐった。
エルグside
エルグ(……本当に、不思議な気分にさせる……ボスの客だと言っていたが………A……)
ぱたんと閉じた白い扉をぼんやりと見ながら、先ほどの女の姿を思い出し、焼き付け、記憶する。
(紺色に近い青の髪色で毛先は白の肩までの長さ、右目しか見えなかったがどこかで見たような海の色の瞳、まつげは長い……身長は…大体180くらいか？)
少しずつ薄れそうな記憶を1つずつ辿っていき、Aを認識する。
エルグ(……………あぁ……仕事を、しなければ……)
しかし自分が厨房にいることを思い出し、仕事をする場所で、わかっているのに体が動かずにいて。目線だけはいつの間にか渡されていたもう1つのピンに注いでいた。
(…この感情は何だったか………好奇心？珍しさ？関心？……執着？、どれも当てはまるような…だが、違うような…)
200年も生きたのに、自分の感情がわからないとはどういうことだと考える。私の頭は困惑しっぱなしだ……しかし、
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作者名：reetlu | 作成日時：2022年4月4日 3時
