【トリコ】彼らの愛者ｰハシモノｰ6 (ページ6)

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応急処置ページ6

　
『？』

マッチ「……いやなんでもねぇ、寒ぃな……」

マッチは前を見て少し歩みを早めた…何が言いたかったのか気になったが、まあそんな大事な事じゃないだろ、と足を動かしながら先の様子を見る。

( …段々と風圧も風速も上がってきて逆に温度は下がっているな… )

少し歩くと皆の歩みも遅くなり、私は小松くんや滝丸くんが心配になってきて少し後ろを見ると小松くんは震えている

『……大丈夫、ではなさそうだな…』

小松「はっ、はぁ………ぁ、Aさん……はぁっ…」

(…どうする？正直体力は温存させておきたいが…)

あまりにも震える彼が心配で考えながら、私達についてきた美食屋達は意外と多いらしく、最後尾が誰かわからない。

(申し訳ないが…トリコから、シンさん達まで、)

『トリコ、手。』

トリコ「ん？」

初めに前にいるトリコの手に触れる。そこから私は全体を包み込むように薄く温水の膜をかけると、さっきまで凍っていたトリコの白くなった眉毛などが溶けて元の色が戻っていく。

トリコ「すげぇあったけぇな……ありがとな、A…」

『…いや、先頭に立っているお前の負担は相当なものだってわかっているさ…寧ろこのくらいしか出来なくて悪いな。』

そう言って手を放し、次に小松くんの手を両手で触れる。

小松「…ぇ、あ、あれ…温かい…すご、い…Aさん…」

『あぁ、今からきっと辛くなる。これくらいしか出来なくて申し訳ないな…耐えてくれ。』

小松「はい…！ありがとうございます…！」

幾分かマシになった顔色と呼吸に少しホッとした、次に滝丸くん…ん？こっちをすごい見ているようで滝丸くんも寒いのかと思い急いで手を握ると、ビクッと体を固まらせた。

滝丸「っぁ…！」

『だ、大丈夫かい？』

滝丸「は、はい…///…！本当に、凄いですね…Aさん…」

(しまった…小松くんが羨ましくて見ていたなんて言えない…)

『あぁ、少しでもこの先の何かに備えなくちゃね…』

滝丸くんもやはり寒かったようで、かすかに震えていたが震えは収まったようだ。手を放して隣のマッチの手を取ろうとしたが

マッチ「…先に後ろの部下を頼んでもいいか？」

『…大丈夫なのか？』

マッチ「当たりめぇだ。」

白いスーツがさらに白くなっているマッチだが顔つきでまだいけると語っている、私は頷いて後ろに移動する。
　
　