【トリコ】彼らの愛者ｰハシモノｰ6 (ページ49)

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1番大切な事ページ49

　
(……そうか、……スープは…)

私は小松くんの近くに割られてバラバラになったグルメケース、顔中に付いている血液を見て、彼なりに取り返そうと奮闘したことがわかる。

鉄平「…やられた…新手か……」

小松「せ、せっかく…見つけたのに……！…最後の一杯だった、センチュリースープ…！」

『い、いったい…私達が向かう途中には誰も…』

小松「小さなハエに乗った何かが…急に僕の事を襲って来て…う…ぅ～～………奪われ、ました…！！！！」

その言葉に鉄平はグッと眉を顰めたと思うと眉間にしわが刻まれる。

鉄平「小さなハエ…？…！ミクロ型のGTロボか！くそっ…！！」

小松「み、皆さんが…せっかく命がけで闘ってくれたのに……！僕は…肝心のスープを守り切れなかった…情けないです、本当…」

ウォールペンギン「ユン…ユン～～～……」

小松「う、う……！…本当にごめんなさい…本当に……！！ぅ、うぅ～～～……！！！」

そう涙をボロボロとこぼし、何度も何度も地面を叩く彼をウォールペンギンは慰めるように寄り添っている。そしてその様子を見たトリコがゆっくりと小松くん近づき、隣に行って膝をつく。

トリコ「……小松…大自然へ、食材の調達へ向かい……失敗に終わる……よくあることだ！！」

小松「っ、？！」

トリコ「俺らプロでも、よくある…お前が恥じる事じゃない……それよりも命が無事でよかったな…」

そう下を向いたままの小松くんに手を差し出すトリコに、小松くんは大きく目を見開く。

『…トリコ…』

トリコ「…生きてりゃ、いつかまた、きっとチャンスは来るさ…！」

小松「～～～！！トリ゛コざん゛っ！！」

その言葉に私も感動し、何だか泣きそうになっていると小松くんも同じように感動し、顔を上にあげる。

トリコ「おっとっと…ま、俺らの命が助かったのは鉄平のおかげだけど、っいって！！」

小松「！？だ、大丈夫ですかトリコさん！？」

トリコ「はは……まだ足がガクガクだ…スゲェ技、編み出した反動だな…」

小松「すごい技？てか腕ないですよ！？トリコさん！？」

トリコ「うん、吹っ飛んだ。」

まるでちょっとした失敗かのように言うトリコに呆れながらも私達は安心していると突然、ゴゴゴゴッと大きな音と地震の様な振動がし、私達は慌てて立ち上がり辺りを見回す。
　
　