【トリコ】彼らの愛者ｰハシモノｰ6 (ページ46)

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説得成功ページ46

　
『トミー…大丈夫だ、今のお前は腕が、ないんだ。わかるな…』

トミー「っぅ、う、うぅ……ぅー…来るな…！」

『冷静になれ…今戦闘したら、もっと傷は深くなるだろ……な、トミー…』

トミー「や、ヤメロッ…！！……ボクに、近づくんじゃねぇ！！」

そうトミーの目の前まで歩いた私に向かって止まっていた拳を動かしたトミー。だが、私はその場から動かず、彼から目を逸らさない。

『……』

トミー「っぐ、ぅう……A……！」

『……トミー……トミーロッド…』

落とされた拳は私の横に落ちる。ドゴォッ！という破壊音と風圧で結構本気で殴りにきていたな、なんて頭の片隅で思いながらトミーの頬にそっと手を伸ばす。

トミー「ふーっ、ふぅーっ、…っ、は……は、はぁ……！」

『そう……いい子だ…トミー…もう、わかるな…？』

トミー「……ふぅ…ふー………はぁーー………今回は、Aに免じてやるよ…」

大きく深呼吸をしたトミーは血走り吊り上がっていた目は段々と普段と同じように戻っていき、怒りでぶれていた瞳孔もしっかりと今は私を見ている。

私もホッとしているとトミーは私に合わせて屈んでくれる。

『あぁ、ありがとな。トミー…お前らはセンチュリースープが目的なんだろ。』

トミー「……ウン…」

『ん、頭は冷えたようだね、トミー。』

トミー「……おかげさまデ。Aはどうしてアイツといんの？」

そう言いながら私を肩に乗せ、重りを拾っていくトミー。すっかり体型以外はいつもと同じように戻る。私達が落ち着いて座ると周りからの視線が集中する。

マッチ「…は？」

鉄平「……え？」

部下1・2？「「え？？？」」

トミー「…んだよ、お前ら。見んじゃねーヨ。」

嫌そうな顔で部下や鉄平を見るトミーの頭を撫でると、少しだけ目を細め、もっと、と頭をこちらに傾けるトミー。

部下1「……あんな副寮長見たことねぇ…」

部下2「あぁ…信じられん……」

私達を見て訝し気に、信じられない顔で見る2人が…トミーの、部下か…？

『…あの人達はトミーの部下なのかい？』

トミー「ん…あぁ、まぁ…そんな感じ。」

『…っふ、トミーは職場では怖い様だな。』

トミー「…揶揄うなヨ、A。……ん？ちょっとゴメンね。」(キュルキュル)

突然トミーのどこかから音が鳴り、嫌そうな顔でため息を吐き、私に一言告げる。多分無線だろうと、肩から下りる。