【トリコ】彼らの愛者ｰハシモノｰ6 (ページ40)

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barベビーロッジにいた男ページ40

　
『お前は、っ！？』

しかし男が先ほどの勢いが感じられない程ゆっくりと私の口を手で塞ぎ、攻撃ではないことに驚いていると

？？「シィー…静かに。」

『んっ！？、……、っ、…』

何を言っているかわからないが、とりあえず攻撃しそうになった手を収める。私が落ち着いたことを確認すると男は手を外し、ノートを見せてくる。

(…なに？スーツに盗聴器が仕組まれている……本当か？)

？？「…この大陸から、帰れなくなる。」

私の視線が信じられないと語っていたのだろう、男は笑った？と思うとそのノートを閉じて先ほど見ていたのだろう下を指す。

『…なるほど？これのことか？』

そう私は…あるはずのスープの場所を指さすと、コクッと頷く男。

『…ふぅー…厄介だな…』

？？「はは…そうだなぁ…」

そう言いながらまたノートに何かを書き足しこちらに見せてくる。

(…盗聴器は依頼人の…モンローヤッコイ氏？が仕掛けたものだ、確認したから間違いない……って、誰だ…名前が全然違う。)

よくわからない名前になっているカーネル氏をちょっとだけ哀れに思いながらその男に向かって頷くと、彼は手で丸を作る。

？？「あ、そうだ。自己紹介がまだだったね…オレの名は鉄平！食の再生屋だ…！」

『……再生屋(グルメリバイバー)…世界中の食を枯渇から守る食の救急隊…美食屋と並ぶ重要な存在……って、まさかお前がゼブラを…？』

鉄平「お、オレの事、知ってるのか美人さん！」

『び、美人さんって…私の名はAだ。』

(…なんか思ってた以上に見た目と性格が合わないな…)

そう考えながら私は覆面越しの彼の表情が読めなくて訝し気に見ていると

鉄平「…あぁ、そうか。これのせいで不審か…よっ、と」

『…わかってるじゃない…か？』

そうバサッと覆面を取ったその男は、柔らかそうな黄緑の髪を最近何処かで見たファンキーなポンパドールとリーゼントにしていて、垂れ眉に垂れ目、右目に1本長い傷が目に入る。

(………い、いやいやいや、まさかこんな、いやでも…)

鉄平「…そーんな見られるとオレ、穴開いちゃうんだけど。」

にっこりと笑う彼にやはり、重なる彼の面影。どう考えても…

『君……おじ、……次郎さんの孫かい？』

鉄平「(おじ？)え？ジジイの事知ってんの？」

『い、いや、まぁ…うん。』
　
　