【トリコ】彼らの愛者ｰハシモノｰ6 (ページ26)

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可愛い子ページ26

　
『はぁ…可愛い…思った以上にふわふわで…暖かいな……』

小松「ず、ずるいです！撫でさせて下さいよ～～！！」

『ぅ……わかった…』

小松「か、可愛い～何コレ～～！これはメルヘンチックだぁ～～～～！！」

トリコ「絶滅危惧種だぜ、そいつ…」

滝丸「迷子にでもなったんですかね？」

私の時は大人しく撫でられていたが、小松くんが撫でていると悪戯のようにくちばしで突いている。

小松「いて、いてて……ぉぃぉぃ…こいつめ～～何すんだお前はぁ～～～！！」

ウォールペンギン「ユンユンユーン！」

トリコ「子供のウォールペンギンは警戒心が全く無くてどんな生き物にも懐いて近づいてしまうんだな…肉食の猛獣にも…」

滝丸「それで捕食されて数が減ってしまったんですね……」

『そ、そんな…こんな可愛すぎる生き物が……』

トリコ「だが、その代わり親は凶暴だぞ。今頃その子供を探し回って暴れまわってんじゃね？」

『あぁ、なるほどね…』

小松「へ、マジですか」

トリコの説明に私は納得し、小松くんは冷や汗が見える。

トリコ「小松、お前が攫ったと思われるぞ、100％」

小松「えぇえ～～～～！！」
　

驚いている割にキッチリとウォールペンギンを抱きしめる手は緩めていないようでその光景にふふ、と笑いをこぼすと同じタイミングでマッチも目を伏せて静かに笑った

マッチ「ふふ……親とはぐれた子ペンギンか……面倒見てやれよ。」

小松「マッチさん、」

マッチ「悪いがオレは先に休ませてもらう…旅はこれから本番だ。いざって時の為に体力を温存しておかねーとな…」

トリコ「ゆっくり休みなマッチ」

マッチ「あぁ…」

そう立ち上がったマッチはちらりとトリコを見てからクルリと背を向けた。その背を見て私は先ほど見た居合について考える

( 多分居合…あれは脱力から放つ一瞬の瞬発力、力の差が大きいほど力は増す…ならば気力も体力も消耗が激しいだろうな。 )

マッチ「あ、」

『？』

そんな音を考えていると、突然声を上げて私の方に近づいたマッチを見上げると同時に私の頭に乗せられる手。

マッチ「おめーも早く寝ろよ、」

『…ぉ、おう…』

頭を撫でられて、驚きながらも返事をすると少し表情を崩しテントに入っていったマッチにポカンとしていると
　
　