【トリコ】彼らの愛者ｰハシモノｰ6 (ページ22)

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マッチの技ページ22

　
マッチ「居合、腹開き…！！」

カチッと刀を鞘にしまったマッチのオーラは臙脂(えんじ)色陰では暗く血のように見えるが光に照らすと花のような華やかさのある色。

(…見事に綺麗な断面が見える。)

繊細な刀裁きに感心しながら、ふと周りを見ると残りのフリーザバイソンたちは仲間が倒されたのを見て猪突猛進することを止め、こちらの様子を見ている。

マッチ「…ったく、」

トリコ「待つんだマッチ！！」

マッチ「！」

それを見たマッチが刀を抜こうとしたが、先にトリコが動いたマッチの後ろから威嚇すると群れは猛スピードで逃げていった

トリコ「2頭で十分だ、これ以上無駄に殺すことはない…だろ？」

マッチ「トリコ………」

刀を仕舞ったマッチは少し考えたようにトリコを見る。

マッチ「同じ四天王でも、こうも違うもんか……命に優しいな、トリコ……」

トリコ「…四天王の誰と比べてんのか知らんが…お前も大概だぜ、マッチ。」

そう交わしながら私達は倒したフリーザバイソンを解体していく。

その時取れた肉を私が氷の部屋を作って火を通し食ってから毛皮を綺麗にして小松くんや滝丸くん、マッチ…以外の3人、合計5つ人分程度しか取れなかった。

(…気温がドンドンと下がってきている…とんでもないな…この膜なしに、一瞬でも立ち止まれば全身が凍りつきそうだ)

そう心配になるがどうにか皆耐えて、歩き続ける。美しい山が近くなっていくほど、風が少しずつ少しずつ弱くなる。

体の冷えと周りの温度差で皆真っ白な煙のような息を吐く…私の吐く息は白くないが、寒さに耐えているので気づいてない

(…トリコは、まだ適応する方法は習得していないようだな…)

そうして皆が足を前に前に出していき、完全に風がやんでから上を見上げるとそこには反射で鏡のように輝く山

トリコ「つ…着いた………ここが、アイスヘルの氷山……！！！」

小松「っ…」(フラッ…)

『！』

トリコ「おっと！大丈夫か、小松？」

『顔色が…きついだろうに……』

小松「はぁ……ひゅぅー……ひゅー……」

フラッと倒れそうになる小松くんをトリコが支えると、息継ぎをしながら安心したように小松くんは口を開く。
　
　