【トリコ】彼らの愛者ｰハシモノｰ6 (ページ20)

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ちょっとした脅しと猛吹雪ページ20

　
アザゼル「ふむ、では戻る……あぁそうだ。」

トリコ「っ！！」

アザゼル「次は容赦せぬ、ではな。」

そう言って、アザゼルはトリコの首元すれすれに水を飛ばし一言言ってから本当に去ったようだ。

トリコ「……怖。」

『だ、大丈夫か？』

トリコ「あぁ…あいつ、Aの中の…だよな？」

『ぇ？そうだが…見せたこと、なかったか…』

トリコ「やっぱりか～～…はぁ……」

そう頭を抱えてしゃがみこんだトリコに私はギョッとするいったいどうしたのかと私も隣にしゃがみ込む

トリコ「…Aって、色々な奴に大切にされてんなぁ～って、改めて思っただけだ。」

『お、おう…？』

トリコ「はぁ～～～…お前の事泣かせたなんて知られたら…」

『…あぁ、なるほど。』

どこか遠くを見ているトリコの言葉に一番最初に思い出すのはお父さんの事。

( …確かに、昔も同じような事があって…半殺しにされてたな… )

『…っふ…そうだなぁ……私、恵まれているな。』

トリコ「おいおい、随分他人事じゃねえかよ…！」

『っふふっ、私は泣かされたもーん……なんて、大丈夫だよ。周りから見えていなかったと思うしな。』

そう言って笑うとトリコも笑い、私の手を取り、そろそろ行こうぜ！といつもの顔で降りて行った。

… 1時間後 …

あれから下に降りると小松くんからマッチとのやり取りは全部下から見えていたという報告を受けて気まずくなった私達は気をとりなおして再び寒い吹雪の中を進んでいった。

トリコ「……大分人数が減ったな…」

マッチ「後ろはオレの部下以外、全員リタイアだ。Aのお陰だな…」

滝丸「さらに風が強くなってます、Aさんのこれがなければこれ以上耐えられなかったでしょうね…トリコさん」

『…そ、そんな持ち上げられると少し照れる。でも小松くんは大丈夫か？』

トリコ達は平気そうだが、歩けなくなった小松くんはいつもの2倍小さく丸まって震えている。心配して彼の様子を見ると目を細めて苦しそうな表情がゴーグルの下に見える。

小松「はぁ…はぁ…A、さん……」

トリコ「…大丈夫ではなさそうだ。」

『そうか…』

どうしようかと考えながら歩いていると前から私たち以外の足音が聞こえた、パッと前を向くとそこには結構な数のフリーザバイソンが私達を見て戦闘態勢に入っている。
　
　