【トリコ】彼らの愛者ｰハシモノｰ6 (ページ19)

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時間の流れページ19

　
『…ぁー………ト、リコ、』

トリコ「ぁ、A…」

トリコは私に何か言おうと口を開ける前に私は頭を下げる。

『すまなかった。』

トリコ「い、いや俺だって！！あんなこと言って……本当に悪かった……」

『いや…私も、お前の気持ちを知っていながら…』

トリコ「…いや、Aが優しくて、好かれるってことはわかってる……俺は、そういうとこも、…その、好きだし」

控えめに私の下げていた頭を上げさせ、手を取る。壊れ物を扱うように握ったトリコはチラチラと私の様子を見ながら好き、と伝えてくれる。

『…あぁ、ありがとう…。』

トリコ「だから、ココやサニー…アイツらは、信用できっから……だが、会って数時間の奴の匂いをさせていると思うと……俺…お前に何するかわかんねぇ…」

私への距離や触れ方、態度はだいぶ落ち着いたが目はギラリと光り、私を…私だけを、射貫いている……それに気づいて私はつい緊張しながら喋る

『っ、…あ、ぁ、…………わ、私もこれから、気を付ける。』

トリコ「あぁ…そうしてくれると助かる………俺も正直…こんな、コントロールできないとは思わなかった…」

『…そ、うか……///』

トリコの言葉に「恋は盲目」、と教えてくれたおばあちゃんの話を思い出して、頬が少し赤くなり、緊張は続く。

トリコ「……………」

『………』

アザゼル「A、もういいのか？」

『ほぁっ！？！？？』

トリコ「うぉおっ！？！？！」

気まずくなって黙っていると、私の肩らへんからニュッとアザゼルの顔だけ出てきて2人で驚いてしまう。

アザゼル「…何をそんな驚く。」

『い、いや、…さっきのでもう帰ったかと…』

アザゼル「なんだ、我がいては困るのか？」

『いや、そう言う事じゃなくてだな…』

アザゼルは訳がわかないようで首をひねる。どう説明すれば…と考えていると突然トリコが笑った。

トリコ「っく、っふっふっふ…ははっ！」

『…どうした！？』

トリコ「いんや、何だか気が抜けちまってよ……A、降りるか？」

『そ、そうだな…時間も…結構経っていたようだな…』

そう空の様子を見るとほんのりと明るくなっている。

そんな時間が経っていたのかと少し焦って下を見ると下にいた人たちは火を消したりしてる準備をしているようだ。
　
　