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モテモテ…? 2 ページ9

「さすがユキ!幽霊にも好かれちゃう超美形!!」

「いや…幽霊に好かれるってどうなの…?」

納得するも困り顔の千さん。
そうするとこの女の人は千さんについて来たのかな?
千さんが好きなだけか、それとも他に行く場所が無いだけなのか。

「…ねぇA。その女の人に帰ってもらうことってできないの?このままじゃ安心してAを抱っこ出来ない。」

「いやいやその女の人多分ユキが連れて帰って来ちゃったんでしょ!?ユキを見て振り返らない女の子はいないよ?連れてきておいて「帰って下さい。」はヒドイでしょ!!」

「好きで連れてきたんじゃないって……。じゃあ、成仏とかできない?幽霊もその方が良いでしょ?」

二人して私を見られても困る。
昔、心霊番組の撮影で霊媒師が除霊やら霊視やらしてるの見たことあるけど、成仏させる方法とか分からないし、そもそも私にそんな能力は無いし。
幽霊が見えるって言っても、ずっと見えるわけじゃない。

そもそも幽霊を成仏させるってお経とか唱えないといけないんじゃなかったっけ?
成仏って専門家以外でも出来るものなのかな…?
霊には敬意を払って、とか未練を無くしてあげる、とか聞いたことがあるけど…。

『…千さんが好きみたいだから、千さんが幽霊さんに何かしてあげる、とか?』

「僕が?何を?」

『それは分からないけど…。』

「あっ!じゃあユキ!歌ってあげたら?そしたら満足してくれるかも?」

パッと顔を上げた兄ちゃんがキラキラした瞳で提案する。

「満足したら成仏してくれるもんなの?」

対して千さんは眉を寄せている。

「やってみなきゃ分かんないでしょ!」

ちょっと興奮気味な兄ちゃんにしぶしぶながらも壁に立てかけてあったギターを手に取る千さん。
兄ちゃんは嬉しそうに千さんと少し間を開けて座った。
ポンポンと兄ちゃんがその間を叩く。

「Aはココ、座って?」

促されるままに千さんと兄ちゃんの間に腰を下ろす。
千さんはギターのチューニングを始めている。
…なんだか楽しそう。

ギターから音が奏でられ始める。
ゆっくりと、千さんが歌を紡ぐ。

柔らかな優しい歌声にそっと目を閉じて耳を傾ける。

…そういえば、千さんの歌を聴くの、初めてだ。

アイドルをしているって言うのは聞いているけど、実際に二人が歌っている曲を聴いたことはない。

…あったかい。

千さんの歌は、優しく包み込むように小さな部屋の中を流れていく。
そして名残惜しむように静かに曲が終わる。

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作品ジャンル:アニメ
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欅夏希 - とっても面白いです!感情の変化や状況などが分かりやすく、読みやすいなぁと個人的には思っています!お話を作るのは簡単ではないかもしれませんが、続きを読めるのを楽しみに待たせて頂きます。無理なさらず、頑張って下さい。 (2020年3月27日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
柚木夏紗 - 面白いっ!!!!更新待ってます!!! (2020年3月18日 7時) (レス) id: 73f9f96d98 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして いつも更新を楽しみにしています。 これからも頑張ってください^_^ (2020年3月14日 12時) (レス) id: d507af1541 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テル | 作成日時:2020年3月3日 13時

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