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約束 ページ36

「音楽をするなら、ひとつオレと約束して?
…絶対に1人で抱え込まないこと。なんかあったらちゃんとオレに言って。Aは1人じゃないからね?」

もう一度大きく、頷いた。





…ごめんね、兄ちゃん。
その約束は、いつまで守れるか、分かんないや。





―――――
【百side】

ピピピピ…

バシッ!

「…………ん…」

反射的に腕を伸ばして1アラームで目覚まし時計を止める。
部屋の中には再び静寂が訪れる。

…いや、正確には小さな寝息が2つ混じっている。

【……やっぱ、慣れないって!】

ガバッと布団を投げ飛ばすようにして起き上がる。
…と、Aの布団も一緒に吹っ飛ばしてしまって、慌ててかけ直す。

もう何度も見て、見慣れたはずのユキとAの寝顔。

起きるのは大抵オレが一番だ。

ユキは朝弱いし、Aもユキほどではないけど朝は強くないので、ほとんど毎日オレが2人を起こしている。

…7時か。

今日は午後からレッスンがある。
終わったら深夜までバイト。
午前も人に会う約束があるから…今日は少し忙しいかな。

支度をするにもユキたちを起こすにももう少し時間があるので、あぐらをかいて座ったまま寝顔を眺める。

寝顔もイケメン過ぎるユキに、あどけないAの寝顔。

A、睫毛長いな……ふふっ、ちょっと口開いてる。

…そういえば、ユキが寝返り打ってるとこ見たことないけど、大丈夫なのかな?

「…はぁ〜〜……」

……イケメン。

……かわいい。

こんなイケメンな人と一つ屋根の下で一緒に暮らしてるんだよ?
数ヶ月前のオレが知ったらなんかいろんな感情が混ざり合って爆発しそう…。

こんな可愛い子が妹よ?
玄関開けたらめっちゃ嬉しそうに『おかえり!』って出迎えてくれるんだよ?

信じられなくない?

え、夢?

「……イタイ。」

うん、現実だ。
ほっぺつねったら痛いもん。

「…………。」

しばらくぼーっと健やかな寝顔たちを眺める。



…綺麗な顔。

絶対汚しちゃダメだ。

汚れるのは、オレ一人で十分。

「……もう真っ黒かもだけど、」

ポロッと口からこぼれ出た言葉に反応するようにAが寝返りを打つ。
ビクっと肩が跳ねる。

『……すぅ……すぅ……』

…良かった、眠ってる。

聞かれていなかったことに安堵しつつ、オレの方に体を向けたAの髪の毛をそっと梳く。
顔に流れた髪の毛を耳にかけてやると、耳たぶのピアスが目に入った。

「…あ、」

寝顔 【百side】→←私のやりたいこと 2



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作品ジャンル:アニメ
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欅夏希 - とっても面白いです!感情の変化や状況などが分かりやすく、読みやすいなぁと個人的には思っています!お話を作るのは簡単ではないかもしれませんが、続きを読めるのを楽しみに待たせて頂きます。無理なさらず、頑張って下さい。 (2020年3月27日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
柚木夏紗 - 面白いっ!!!!更新待ってます!!! (2020年3月18日 7時) (レス) id: 73f9f96d98 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして いつも更新を楽しみにしています。 これからも頑張ってください^_^ (2020年3月14日 12時) (レス) id: d507af1541 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テル | 作成日時:2020年3月3日 13時

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