これからのこと 3 【千side】 ページ27
「いろんな体験や出会いがあるから、できれば行ってほしいけど…。Aに任せるかな。でも、行くんだとしたら、教育費のこと考えないと…」
確かに学校ってめんどくさいけど行っておいた方がいいかもしれないな。
僕だって高校に行ったから万に出会ったんだし。
教育費か…仕事が増えてきたとはいえ、まだまだ満足には生活できていない。
「それなら、自分から社長に聞いてみましょうか?」
「え、なんで?」
ずっと黙ってニコニコしていたおかりんが今だ!とでも言うように眼鏡を光らせる。
「社長がよく、Aちゃんの頭脳がなんたらとか勉強のこととか口にしてたので。今のAちゃんの学力のこととか知ってると思いますよ?」
「…なんで凛太郎なんかが知ってるの。」
「"なんかが"って、一応オレたちの社長だからね?」
…まぁ、一応ね。
―――――
【百side】
「…はい、これがこの間解いてもらった問題だよ。」
「…………す、ご、」
岡崎事務所の社長室のテーブルに並べられた解答用紙。
どれも同じ綺麗で可愛い文字で解答が書かれていて、赤ペンで採点してある。
点数は…全て90点以上。
「コレ、何の問題なの?」
「大学の入学試験だよ。…僕も驚いた、余裕で難関大学に合格できる成績だ。…すごいな、Aは…。」
「ちょっと、気安くAのこと呼び捨てにするな。」
睨むユキを無視して社長は何か考えるように腕を組む。
オレも驚きが隠せず、次の言葉がすぐに浮かばない。
え、ナニコレ暗号…?
オレ一応大学行ってたけど(…推薦だけど)こんな問題見たことないよ?
ホントに高校までで習う内容なの…?
【…Aって、マジで天才だ……。】
「…まぁ、結論を言うと正直、Aは学校で勉強する必要はないよ。学習すべきことは全部頭に入っているし…。」
確かに社長の言う通り、勉強目的で学校に行くのは必要ないかもしれない。
それでも、な……。
「勉強は置いておいても、人間関係を学ぶという意味での学校は行った方がいいんじゃないでしょうか?」
そう、おかりんの言う通り。
学校っていうところは人との関わり合いを学ぶところでもある。
学校でできた同級生や先輩、後輩が今後の人生に大きく影響を与えることだってあるんだ。
Aにも仲の良い友達とか頼りになる先輩とか、作ってほしい。
「…モモ、どうする?」
「…………。」
学校には行ってほしい。
新しい趣味や得意なことが見つかる可能性だってある。
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欅夏希 - とっても面白いです!感情の変化や状況などが分かりやすく、読みやすいなぁと個人的には思っています!お話を作るのは簡単ではないかもしれませんが、続きを読めるのを楽しみに待たせて頂きます。無理なさらず、頑張って下さい。 (2020年3月27日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
柚木夏紗 - 面白いっ!!!!更新待ってます!!! (2020年3月18日 7時) (レス) id: 73f9f96d98 (このIDを非表示/違反報告)
聖(プロフ) - はじめまして いつも更新を楽しみにしています。 これからも頑張ってください^_^ (2020年3月14日 12時) (レス) id: d507af1541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テル | 作成日時:2020年3月3日 13時