岡崎さん ページ14
「そうだA、学校とかどうする?歳でいうと…今は中学生だよね?」
朝ご飯を食べてるときに兄ちゃんが聞いてきた。
千さんは結局起きなくて、家を出る時に引っ張って行くよと兄ちゃんは言っていた。
学校。
学校かぁ…。
あんまりイメージは湧かない。
小学校はほとんど行っていなかった。
中学校に関しては両手で数えれるくらいしか行ったことはない。顔を覗かせる程度だけど。
ずっと家庭教師がひっついてたから、学校に行かなくても勉強は嫌というほどした。
『…うーん、もう一般的な高校までの勉強も一通り終わってるし……今のところは行かなくてもいいかな?』
「あーそっか。………え"っ!??」
突然の大声に驚いて口に入れたパンをゴクンと飲み込む。
目を丸くしている兄ちゃんに簡単に経緯を話した。
学校に関しては、私が行きたくなったら行けばいいという話に落ち着いた。
後片付けをしているときにドアチャイムが鳴る。
「うわっ!!ヤッバもう時間じゃん!!」
バタバタと支度を始める兄ちゃん。
千さんは…さらに丸くなって寝てる。
「入りますよ〜!」とドア向こうで声がして扉が開く。
優しそうな顔の眼鏡をかけた男の人が立っていた。
「おはよ、岡崎さん!もうちょっと待って!ほらユキ!いいかげん目を開けてってば〜!!」
岡崎さんと呼ばれたその人は私と目が合うと、微笑んで頭を下げた。
「おはようございます。初めまして、岡崎事務所で百くんと千くんのマネージャーをしています。岡崎凛人と申します。…Aさんですよね?百くんからお話は聞いています!」
物腰の低いしっかりしてそうな人。
優しそうな人でホッとした。
私も挨拶を返す。
岡崎さんはまだバタバタしている兄ちゃん達を見て溜め息をついた後、「少しお話をしてもいいですか?」と聞いてきた。
「百くんから簡単にですがAさんの事情は聞きました。事務所の方もできる限りサポートはしていくつもりです。…それで、ここからはAさんが決めていただくことなんですが、」
真剣な岡崎さんの表情に頷く。
「百くんの方からAさんをあまり一人にはしたくないと相談がありました。仕事で家にいない間だけでも事務所のほうで面倒を見ることは出来ないか、と。」
チラッと兄ちゃんの方を見る。
…そんなことまで考えてくれていたんだ。
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欅夏希 - とっても面白いです!感情の変化や状況などが分かりやすく、読みやすいなぁと個人的には思っています!お話を作るのは簡単ではないかもしれませんが、続きを読めるのを楽しみに待たせて頂きます。無理なさらず、頑張って下さい。 (2020年3月27日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
柚木夏紗 - 面白いっ!!!!更新待ってます!!! (2020年3月18日 7時) (レス) id: 73f9f96d98 (このIDを非表示/違反報告)
聖(プロフ) - はじめまして いつも更新を楽しみにしています。 これからも頑張ってください^_^ (2020年3月14日 12時) (レス) id: d507af1541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テル | 作成日時:2020年3月3日 13時