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残る影響 【百side】 ページ41

矢島さんに今日はオレだけで来てほしいと言われたのでユキさんはお留守番。

病室に行くとAと矢島さんがいた。
オレを見てAは小さく微笑む。
以前のような笑顔じゃなくなってて、安心した。

矢島さんが「ちょっと待ってて。」と病室を出ていく。
その間、いつものように話をした。
でも今までと違うのはAの表情。

昨日までよりも表情が減った。
無理に笑顔を作ってないことは分かるんだけど、なんかちょっと困ってる感じかな?

どういう時にどんな表情をするとか、自分の感情とか、まだAにとっては難しいのかもしれない。
ゆっくりでいい、ゆっくりでいいから、自分の気持ちに気付けるように、手助けしていこう。
今まで気付かなかっただけだから、Aもきっと自分の心の声に気付けるようになるはず。

少しして矢島さんがトレーを持って帰ってくる。
サイドテーブルに置いて「よーし、これからちょっとしたゲームをします!」と胸を張っている。

「なんですかこれ……食べ物?」

トレーの上には小さめのお椀が3つのっていて、中にはペースト状のドロッとしたものが入っている。

「食べ物!ゲームのためにミキサーにかけました!」

なぜか誇らしげに胸を張る矢島さん。
食べやすいようにか…?いや、でもAは普通に固形でも食べれるけどな…。
それと、

「ゲームって?何するんですか?」

よくぞ聞いてくれた!という顔をして矢島さんの目が輝いた(気がした)。

「題して、【ドキドキ☆ワクワク!どんな味がするかな!?当ててみよう!!】ゲーム!!」

「えー…ネーミングセンス……。」

「百くんは黙って下さいね。」

ピシャリと言われて黙る。
…あれ?矢島さんってファンだったよね、オレ達の。
初めて会った時とかなり態度違わない?

そんなオレは放っておかれて(ヒドイ)、ポカンとしているAにゲームの説明をしている。

「今からAちゃんにはここにある3つのペーストを食べてもらって、その味を当ててもらいます!食材とかを当てるんじゃなくて、食べてどんな味がしたかを当ててね、甘いとか、カラいとか、そういうの。」

いや、どういうゲーム!?なにかのリハビリ!?
…でも矢島さんのことだしな。
なにか考えがあるのかも………無いのかもしれないけど。

とりあえず黙って様子を見守ることにした。

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どこかの旅人 - ここまで惹き込まれたのは初めてです。更新楽しみにしてますね (2020年2月29日 2時) (レス) id: 9544a2fe14 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テル | 作成日時:2020年2月2日 17時

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