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知らない家 【百side】 ページ5

ピンポーン。

インターホンが鳴って、母ちゃんが出る。

「……柊ですが、」

聞こえてきた声に母ちゃんの顔が青ざめる。
父ちゃんが立ち上がって母ちゃんと代わった。
母ちゃんは強張った表情のまま台所に入っていく。

「何の用だ?」

父ちゃんの声が怖い。聞いたことの無いくらい。

「…子どもを預かってほしい。」

スピーカー越しにそんな内容の声が聞こえた。
…子ども?

玄関にいる人は誰なんだろう。
様子から見て、父ちゃんも母ちゃんも嫌いな人みたいだ。

リビングを離れて、玄関の様子が見える部屋に行きこっそり窓を覗く。

男の人がインターホンの前に立ってて、女の人と女の子がその後ろに立っている。

「帰ってくれ!!」

リビングから父ちゃんの怒鳴り声が聞こえてきた。
びっくりしたけど、その女の子から目が離せなかった。

まだ4、5歳くらいかな?
可愛い服を着て、母親らしい人の手を握っている。

ふと、女の子が顔を上げてこちらを見た。
目が合った。

ドキッとした。

綺麗な、可愛い顔。

だけど、見たことない目をしていた。

マゼンタ色の目。
俺や姉ちゃんとおんなじ色。

だけど、暗く光が無かった。
年下の友達と遊ぶことがよくあるけど、その誰もと違った。
目が合っているはずなのに、女の子の方はどこか遠くを見つめている感じ。
その女の子には表情が全く無かった。

「百ッ!見ちゃダメ!」

部屋に母ちゃんが入ってきてオレを窓から引き離す。

「なんで?あの子、誰?」

聞いても教えてくれなかった。
関わっちゃダメ、と言われた。

父ちゃんはその人たちを追い返してから、玄関に塩を撒いていた。



ずっと後になってから、訪ねてきた男の人は父ちゃんの弟で、あの女の子はオレの従妹だと知った。

*追記 その1→←病院



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どこかの旅人 - ここまで惹き込まれたのは初めてです。更新楽しみにしてますね (2020年2月29日 2時) (レス) id: 9544a2fe14 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テル | 作成日時:2020年2月2日 17時

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