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龍之介 【ドラマ】 ページ15

「ね、ねぇ?そろそろ寝ないと明日起きれないよ?まだ見る――」

『ちょっと黙って。』

ピシャリと言うAちゃんはソファの上でクッションを抱きしめたまま俺が主演のドラマを見ている。
その姿は真剣そのもので、声をかけようものならさっきのように睨まれる。
諦めて俺も隣に腰掛ける。
楽や天が出ているドラマでもそうだ。
隣に本人がいたとしても完全無視してテレビの中の俺たちに集中している。

ストーリーはクライマックス。
ヒロインを主人公の俺が助けて、愛を誓うシーン。
フリだけど、キスシーンもある。
撮影後に映像を確認させてもらったけど、カメラの角度のせいで本当にキスしているように見えてしまう。
仕事だから仕方ないけど、やっぱり彼女には見てほしくない、かな…。
悲しませたらどうしよう、とか考えてしまう。

そしてついにキスシーン。
チラッとAちゃんの様子を伺うと、ぎゅう、とクッションを握りしめている。
ああ、やっぱり…。
そうしてドラマはエンドロールへと切り替わった。
フルフルと小さく震える彼女を見て、どう声をかけようか迷う。

「Aちゃ…」

『っはー!めちゃくちゃ良かった!ドキドキしちゃった!』

「…え?」

予想していた反応との違いに戸惑いつつも、興奮した様子で感想を話すAちゃんにどこかモヤモヤする。

『あの女優さんと龍ってめちゃくちゃお似合いだね!最後女優さんちょっと照れてたでしょ?私も照れちゃって――』

そこまで聞いて気が付けばAちゃんの肩を押してソファに倒していた。

「…俺は君に彼氏として見られてないってこと?」

Aちゃんの目に戸惑いが浮かぶ。
…ダメだな俺。Aちゃんの前では格好いい十龍之介でいられなくなる。

『…もしかして、嫉妬してほしかった?』

渦巻いていた感情を言い当てられてグッと言い淀む。
するとAちゃんは笑って俺の頭を撫でた。

『嫉妬は、してるよ?よくテレビでも女の人に囲まれてたりしてるし…。』

「いや!囲まれたくて囲まれたわけじゃ、」

『うん、知ってるから。…龍の気持ち、ちゃんと知ってるから、だからファンとして応援できるの。…だから……』

今度はAちゃんが言い淀む。
なぜか顔を真っ赤に染めて。

『…仕事以外では、私のこと、あ、甘やかして?』

初めて言われたその言葉に、先ほどまでの感情が消え去る。
…そっか、俺のこと…。

「うん、喜んで。とびっきり甘やかすよ。」

俺以外、見えなくなるまで。

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ぷる - え!?なんなんですか!?(訳 最高です!もうみんな好き…テルさん愛してる… (2020年4月16日 16時) (レス) id: ee7856aff6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テル | 作成日時:2020年1月25日 17時

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