＊揺れる ページ11
*
『彼女』にはもう会わない。
そう決めてから連絡をとることもあの診療所へ近づくこともなかった。
総監の娘さんを利用するような形だったが、俺は確かにそっちを選んだのだった。
いくらなんでも自分の気持ちが変わったので別れたいとは言えない。1度だがそれなりの関係になってしまったこともある。ここで別れたいと言うのは余りにひどい仕打ちだ。
それに、総監が『彼女』に何をするのか不安だった。
見た目からして彼女が色々抱えているのだろうということは勘づいていた。
初めて見た時も思ったが、彼女は病的なまでに細かった。
それに調べたことで分かった生い立ちや、今の現状。
もう十分苦しんでいる彼女は、些細なことでも倒れてしまいそうな気がしてならない。
彼女を苦しめる訳にはいかない。
どうかあの約束を忘れて、渡した分のお金だけでも貰って、穏やかに暮らして欲しい。
それが……俺なりの『彼女』に対する愛だった。
忘れることは無いが、もう二度と会うことも無い。
君が穏やかに生きてくれさえいれば、この国を守ることで君を守った気にさせて欲しい。
そう、決めたはずだった。
続く
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てる(プロフ) - __ne_mU_さん» ありがとうございます！更新のんびり過ぎますがお付き合いくださると嬉しいです！ (2019年10月14日 22時) (
レス) id: 1a0e49df6a (このIDを非表示/違反報告)
__ne_mU_(プロフ) - 前作を今日初めて読み夢中でこちらまできちゃいました！降谷さんかっこいい、、すき、、更新楽しみにしてます！ (2018年12月15日 21時) (レス) id: 4f8346dfa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てる | 作成日時：2018年12月13日 0時
