*第147話* あの日のように ページ24
「俺は………、この国の王子だ。」
大切な…大事なあの子の声がした。
いつもわたしの側をチラチラと走り回っては楽しそうに笑っていたあの子の声が。
その声に導かれるように…顔を上げると、そこにはキラキラとしたあの子がいた。
いつかの、似たような笑顔を思い出した。
塀を飛び越えて盛大に転んだあの子は、あの時も同じようなキラキラした顔をしていたな……。
……どうして。どうしてなの、ゼン。
わたしは貴方の大切な兄を、家族を殺したというのに、どうしてそんな顔ができるの?
分からない。
分からないわよ…。
ゼン…………
「俺はこの国の王子だ。」
その時、再び聞こえた力強い声。
俯きかけた顔を再び向けると、やっぱりゼンはキラキラと輝いていた。
___ゼンは、素直だ。
昔もよく騙されて傷ついて…、それでも人を信じることをやめようとしなかった。
彼は、自分の目で見て、自分で考え、正しいと思ったことしかしなかった。
わたしやあの人とは違って……自分の気持ちに、とても素直だった。
、
わたしも、そんなふうになれたら……なれていたらよかった。
もっと……貴方を信じることが出来たら、よかった。
そんなふうに、全てが終わっても思ってしまうわたしは、やっぱりバカな奴ね……イザナ。
もう、遅すぎるのよね。
もう、貴方は帰っては来ないもの。
でも、でもね。
ゼンの、あの目の光を見てしまったら……
、
わたしも、あの子の…ゼンのように……
ああ…
やっぱり
「信じていたい。」
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てる(プロフ) - 響さん» 響さん!コメント毎回ありがとうございます!すごく励みになっております!駄作な文章ですが楽しんでいただけてなによりです!ありがとうございます! (2018年12月11日 23時) (レス) id: 1a0e49df6a (このIDを非表示/違反報告)
響(プロフ) - 診療所へようこそ、から来ました。てるさんの作品すごく好きです、、、つい一気読みしてしまいました!!切なくて、でも最後はハッピーエンドですごく素敵な作品でした、ありがとうございます…!!!! (2018年12月10日 22時) (レス) id: 3701a0a282 (このIDを非表示/違反報告)
てる(プロフ) - 肴さん» そう言っていただきとても嬉しいです!ありがとうございます! (2018年6月10日 12時) (レス) id: 1a0e49df6a (このIDを非表示/違反報告)
肴(プロフ) - 最初からすごく好きでずっと読んでました!!!事情によりコメントも投票もお気に入り追加もできなかったですが本当に感動しました!! (2018年6月8日 19時) (レス) id: b8d7cc9c7d (このIDを非表示/違反報告)
てる(プロフ) - anao10さん» 長々と続いてしまったのに、最後までありがとうございました!読んでくださる方が居てくれるからこそ、とても楽しく書くことが出来ました!あまり納得できない最終話だったので、後日談書くかも知れません(笑)その時はまた読みに来てください〜 (2018年4月3日 20時) (レス) id: 1a0e49df6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てる | 作成日時:2016年11月2日 21時