【トリコ】彼らの愛者ｰハシモノｰ13 (ページ10)

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まさかの流砂ページ10

トリコ「っこまっ…！！」

ゼブラ「おい！！」

2人の声が聞こえたが振り返る間もなく、まさかのタイミングで流砂も発生し、バランスが崩れた私達は中に突っ込んでしまった

『手を離すなよ！小松く、っひ！！』

小松「Aさっ？！どわぁあぁああぁあぁわあわわっ！！？！？」

見えなかった流砂の中はまるで異様に早いウォータースライダーのようになっていて空気は確保できたが、車よりも早い速度でドンドンと流されていく。

小松「わっっ！！」

『ぅおっ！、ぉお…？』

こんな場所でまさかの体験ふと体が浮いて終わったかと思いきやまた砂の上に放り出された私達。

まだ腕は離れていない……いや、正確にはスピードやら猛獣やらが怖すぎてお互い離すことが出来なかった、が正しい。

小松「…へ、お、終わっ……ってないいぃいぃいぃい！！！」

『嘘だ、ろっ…！…あ、わぁああぁああぁっ！！？？』

小松「うわあぁああぁあ！？トリコさんゼブラさあぁあぁんっ！！！」

平衡だと思った砂の地面はまたドンドン下に向かって落ち始め、地獄のスライダーが始まった

私達はまたしっかり腕を握りしめて、さっきよりも多く狂暴そうな猛獣が顔出す砂のスライダーを流れ続ける

小松「ひぃいぃいっ！」

『っ！！小松く、しっかり！』

小松「Aさぁあぁんっっ！！僕たちどうなるんでしょうかぁあぁあ！？！」

『悪いが私にもそれはわから、…！』

耳元で砂とは違うノイズが聞こえて一度黙ると予想通り、ゼブラの声が聞こえた

ゼブラ(…おい、A。今お前らはとんでもないスピードでオレたちから離れてきている)

『ゼブラ…！』

小松「えっ」

ゼブラ(ふん、まだ小僧の意識はあるようだな…悪いがこのスピードのまま離れられるといつ声がかれるかわからねぇ…その時は…わかってんな？)

『んなことわかっている、小松くんのこともコーラも、な…！』

小松「Aさぁん……ぃでっ！」

ゼブラ(…ふっ、相変わらずだな…2人して勝手に死ぬんじゃねーぞ…！)

『あぁ……って。小松くん！？』

砂の中を流れている内に小松くんの意識が石か何かによって途切れてしまったようで、私の腕を握る力が弱まった。それを感じて近くにあった布…マントを腕に巻き付けて繋ぐ

『これだけだと何かあった時、危ないな…』

何分経ったかわからない風景に飽き飽きして、もうそろそろ終わってくれないかと思いながら先ほどのゼブラの言葉を思い出す
　
　