Sevens....... (ページ25)

今日:13 hit、昨日:3 hit、合計:39,471 hit

紅一点と夏の悲劇 3 ページ25

.

.

『はぁ…』

嶺「何泣きそうになってんの」

佐「泣いても慰めないからな」

『お前ら励まそうとか思わないのかよ』

嶺「褒めたり励ましたりすると調子乗るでしょ？」

『…(図星で何も言えない)』

鏡の前で三角座りをし、膝を抱えて下を向く木村の背中はやけに小さく見えた。

そんな様子をいち早く察知して隣に寄り添ったのは、メンバーである中村と佐々木。

さすが木村のことが大好きな二人、木村の異変に気づくスピードが異常なほどに早い。

佐「ほら、元気出せって (笑)」

『頭を触るな (笑)』

嶺「きむって頭触られるのほんとに嫌いだよね」

『なんか嫌なんだよね』

.

琳「あ！大光ずるい！琳寧もらーさんの頭撫でる！！」

『やめろやめろ (笑)』

嶺「じゃあ俺も (笑)」

克「俺も～」

『ねえヤダ！！！(笑)』

大光のせいで年上3人に頭を撫で回された木村の頭はボサボサになっていた。それを見て笑う年下3人。

木村の周りにはいつの間にかメンバー全員が集まっていて、木村にも笑顔が戻り始めた。

そんな様子を見て、Aは本当にメンバーのことが大好きなんだな…と痛感したスタッフたち。

その後のリハーサルは、テンションが戻ったこともあり割と楽しくできたようで、なぜか密着のカメラに向かって何度もウインクをお見舞いしてくれた。

.

そして２日後、無事ギプスが外れた木村は、普通にトランペットが持てることに感動していた。

さすがにいきなり手首を酷使してベースは危ないので、その日はリハビリ感覚での練習だったが、

手首が解放されたのがよほど嬉しかったのか、事務所内を移動する時はずっとスキップしていた。

そして周りが心配していた怪我のハンデは、木村の圧倒的な実力と本気の練習で、直ぐに周りに追いついていた。

さすが音楽が大好きなだけある。

これで本番に向けての準備は万端。

あとは日にちが経つのを待つだけだった。

が、やはり本番に何かしらのハプニングは付き物。

思いもよらない事が起こってしまった。

.

.