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門の先に広がっていた世界は、想像を絶するものだった。


荒れ果てた木々、血だらけの障子や襖。


『まずは掃除か…これ…』


ぽつりと呟いた時、背後に人の気配。


私は振り返ろうとしたが、それより先に首に刃物が当てられた。


首にひんやりと冷たい感覚、この冷たさが刃は本物だということを教えてくれる。


「いますぐ このほんまるからでていけば いのちだけは たすけてあげます」


『…断れば?』


「ここでころすだけですよ、さにわ」


可愛らしい声で物騒なことを言うものだ。


「大人しく帰れば何もしないって言ってんの、わかる?」


後方からまた別の人の声。


『私は何としてでも審神者にならなければならない。帰るという選択肢はありません。今剣様、加州清光様。』


私は審神者になって、もう1度鶴ちゃんに会うと決めたのだから。


「…何で俺らの名前がわかるの」


加州清光から放たれる殺気が少し弱まったのを感じた。


『私には再会を約束した刀剣男士がいます。彼から、仲間の話はたくさん聞きました』


【加州清光はな主が大好きなんだ、後一番現代っ子なのも加州だな。】


【今剣は可愛らしい声だが騙されちゃあいけない、考え方は大人だぞ。】


鶴ちゃんの言っていたことを思い出す。


『それに私は…男…です。皆さんが嫌っているのは、女性の審神者だと役人の方から聞いていますが』


「おとこ?」


「えっ、それ早く言ってよ〜〜」


驚いた顔をする今剣と、急に警戒心を無くす加州清光。


「審神者って女が多いんだよね、君は小柄だったから勘違いしちゃった」


加州清光はそう言ってごめんね〜〜と何度も謝ってくれた。


それからというもの、2人は私が男性と知った途端、態度をころっと変えた。


様呼び、敬語も取ってくれとまで言ってくれた。


話していて、本当は良い人たちなのだと感じたのだ。


そこまで女性を嫌う理由…とは何なのだろう。


「俺らとしては主として迎えたいところなんだけど…」


「みかづきたちが なんというか‥ですね」


『三日月宗近様…なら私はまず、彼らに挨拶すべきだろう』


一緒に来てくれるか?と今剣と清光に聞くと、もちろん。と答えが返ってきた。


私は2人と一緒に大広間へと向かった。

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テラリウム(プロフ) - みなつきさん» 返信大変遅くなりました。好きと言って頂けてとても嬉しいです、完結までお付き合い頂き有難うございました! (2019年3月24日 2時) (レス) id: df9ed6c4dd (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 続編ありがとうございます!!このお話、とっても好きだったので!うれしいです! (2018年3月31日 17時) (レス) id: e9d1f159c4 (このIDを非表示/違反報告)
テラリウム(プロフ) - クルトンさん» コメント有難うございます!終わり…なんです(;_;)次回作、少し間が空くとは思いますが書くつもりでいるので、お待ちください(^^) (2018年3月29日 8時) (レス) id: 20aaa1ddde (このIDを非表示/違反報告)
クルトン(プロフ) - お、終わり....何ですかぁぁぁ!スッっっごく面白かったです!次も....作品作りますよね!?いや、作ってください!!これからも応援してます! (2018年3月28日 16時) (レス) id: 4cc1bb6772 (このIDを非表示/違反報告)
テラリウム(プロフ) - みなつきさん» コメント有難うございます!そのように言っていただけて、とても嬉しいです。完結までもう少しお付き合い下さい^^ (2018年3月27日 13時) (レス) id: 20aaa1ddde (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テラリウム | 作成日時:2017年11月5日 19時

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