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「まっ…て!!」


一期の後ろにいた乱がそう言って、此方へ駆けてきた。


光忠が警戒をして、私達は1歩下がる。


しかし乱は私達と並ぶように立つと、刀剣男士達の方へ向き直り


「あるじさん、ボクらのこと信頼してるし大好きって言ったんだ。さっき皆で話した時にはこの事実を言えなかった…。けど!!!ボクはその言葉を信じたい」


この空気の中、声を上げ行動するのはとても勇気がいっただろう。


誰が聞いてもわかるほど、声が震えていた。


兄弟を敵にしてまで、私を庇ってくれたのだ。


何か声をかけなければ。


しかし私の口からは、マイナスな言葉しか出てこなかった。


『乱は、私が、女で怖くないのか?過去にここの刀剣男士達が受けた仕打ちを考えれば、私のことを殺そうと思うのが、一番…』


妥当だろう?


そう続けようとした時、私の言葉を遮る者がいた。


「主も乱も、皆も1度落ち着け。燭台切はまず刀を鞘に収めるべきであろう?」


それは三日月だった。


光忠は三日月の目を数秒見つめると、刀を収めた。


「ここにいる者は、性別が変わろうが主は主であるとわかっている。ただ少し驚いているだけだ。皆、そうだろう?」


そして三日月は他の刀剣男士達に同意を求めた。


すると、


「僕、びっくりしただけ…なんです。あんなに優しいあるじさまが、僕らを傷つけたりするとはいくら考えても…想像がつきません…」


「あんたが男装をしていたのは、色々な理由があるとは思うが…結局は俺達を怖がらせたくなかったからじゃないか?」


五虎退と山姥切が続けてそう言った。


あの怖がりな五虎退と、お世辞にも素直な方ではない山姥切がこのような事を言うのは、驚きだった。


「冷静になって考えたらさ…俺達女って性別にこだわり過ぎなのかも…。主は主なのに、固定観念って恐ろしい…ね、」


清光も畳を見つめながら、ぽつりと呟いた。


清光はこの本丸一の古株であり、刀剣男士達からの信頼も厚い。


そんな3人の影響力は凄まじく、皆自分達の考えを改めて直し始めた。


「さて…皆心の整理はついたな?……主、これからも審神者として、この本丸にいてはくれぬか」


そう言った三日月の表情は、とても和やかなものだった。

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テラリウム(プロフ) - みなつきさん» 返信大変遅くなりました。好きと言って頂けてとても嬉しいです、完結までお付き合い頂き有難うございました! (2019年3月24日 2時) (レス) id: df9ed6c4dd (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 続編ありがとうございます!!このお話、とっても好きだったので!うれしいです! (2018年3月31日 17時) (レス) id: e9d1f159c4 (このIDを非表示/違反報告)
テラリウム(プロフ) - クルトンさん» コメント有難うございます!終わり…なんです(;_;)次回作、少し間が空くとは思いますが書くつもりでいるので、お待ちください(^^) (2018年3月29日 8時) (レス) id: 20aaa1ddde (このIDを非表示/違反報告)
クルトン(プロフ) - お、終わり....何ですかぁぁぁ!スッっっごく面白かったです!次も....作品作りますよね!?いや、作ってください!!これからも応援してます! (2018年3月28日 16時) (レス) id: 4cc1bb6772 (このIDを非表示/違反報告)
テラリウム(プロフ) - みなつきさん» コメント有難うございます!そのように言っていただけて、とても嬉しいです。完結までもう少しお付き合い下さい^^ (2018年3月27日 13時) (レス) id: 20aaa1ddde (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テラリウム | 作成日時:2017年11月5日 19時

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