嘲笑52 ページ3
『っ…ぐ』
「主…！」
ほら言わんこっちゃない。
俺じゃなかったら普通に倒れてた。
てかお前そんなに速く走れたんだな機動力ねぇだろ？
『なんでお前ここにいるの』
庭で宴会してろよ…。
何のためにこっそり抜け出してきたと思ってんだ。
「主が構ってくれないからな」
むすっとした顔を見せる三日月。
ジジイがそんな顔しても可愛くねー！
見た目は全然ジジイじゃねぇけど！
『あっち、戻った方がいいんじゃねぇの？』
その方が楽しいと思うんだけど。
三日月にとっても良いと思うなぁ俺は。
「何、俺が主の元へ来たかったのだ。少し付き合ってくれないか？」
三日月の手には日本酒。
確かに俺も飲み足りない。
しっかたない、酒のためだこのやろ。
『っよ』
テキトーに座ればその隣に三日月が座る。
うん、距離が近すぎ。
お酌するにしてももう少し離れて。
少し部屋の襖を開けておけば月の光が差し込む。
桜の花弁が舞ってきて、杯に入ってる酒に溺れた。
それをぐいっと飲み干せば、まぁ見事に花弁が口の中に。
うえ、ぺっぺっ！調子こいた！
三日月もそっと口をつける。
コイツ、所作めちゃくちゃ綺麗なんだよな。
さすが天下五剣、昔からある刀って感じ。
沈黙が続く。
それを破るかのように三日月が口を開いた。
「なぁ、主」
俺のなんだ、という言葉は紡がれることは無く三日月の唇の奥へ消えていった。
ほんのりと日本酒の甘い香りが鼻を掠める。
『何、酔ってんの？』
「そうかもしれんなぁ」
もう1度唇を重ねると俺の肩に頭を乗せてきた。
俺の腕に自身の腕を絡ませて、擦り寄ってくる三日月。
うん、どうした。
「俺は今、とてつもなく恐い。これが…夢ではないかと思うのだ」
三日月の体は微かに震えている。
えぇ、コイツ泣いてる！
せっかく風呂に入って着替えたのにびちょびちょになるのは避けたい。
俺の肩が濡れる前に流れる涙を拭ってやった。
『夢じゃねぇだろ。ちゃんとした現実だ』
逆に現実じゃなかったら俺が怖い。
ここまでの働きが無駄になるのは泣く。
「……っ」
そう言った瞬間、押し倒される。
俺の上には三日月。そして重なる唇。
触れるだけの軽いキスから、深いものへ変わっていく。
唇を離し熱い息を吐いてから、そっと俺の胸に顔を寄せた。
「主、俺を抱いてくれないか…？」
現実である実感が欲しい、この時を忘れたくないから、と。
……何言ってんのこの人。
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ぷにぷに左衛門 - とても面白いです！他のキャラとの絡みもお願いします！ (2021年5月12日 22時) (
レス) id: b1fc0b4e72 (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！ (2020年9月30日 21時) (レス) id: e324714dd9 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - めっちゃ面白いです！！我が儘を承知の上で話しますが、、、夢主が抱かれそうになるってのはないですかね() (2020年3月23日 10時) (レス) id: 5c0092d459 (このIDを非表示/違反報告)
みけつ(プロフ) - 加州の反応がオタクすぎるwww (2020年1月31日 0時) (レス) id: db6cc2cfa5 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 咲羅さん» コメントありがとうございます！体調まで気遣って下さり感謝しかありません。とんでもないです！コメントして下さってありがとうございました！とても励みになりました。これからもよろしくお願いします！ (2019年10月1日 21時) (レス) id: c9b2a222e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七海 | 作成日時：2019年10月1日 12時
