【刀剣乱舞・男主】嘲笑して、はい、こんにちは

嘲笑10*No side* ページ10

新しい審神者AA。
今まで来た審神者とは違うナニカを持っている、刀剣男士達はそう感じ取った。

俺達を嘲笑うその瞳の奥には冷たさが宿っていて。
本能が"逆らうな"と警告を出していた。

Aに言われたことが刀剣男士達の頭の中を駆け巡る。
そんなことはない、悪いのは人間だ。
殺したのも正解だ。
そうしないと酷い目に合うのは俺達なんだから。

嫌な汗が頬に伝う。
じっとりと張り付くような、不快なもの。

静まり返った空気を裂いたのは一振りの刀剣男士。


「厄介な人間が来ましたな」


悔しげに拳を握るのは粟田口の長兄、一期一振。
前任に…人間に対して強い憎しみを持つ中の一振りだ。

弟を目の前で折られ、命令により自分の手で弟を折ってしまった。
その上、恨みを持つ前任に無理矢理こじ開けられ、穢された己の身体。

一期一振だけではない。
上記を含め、暴力や過度の出陣、手入れの放置など他の刀剣男士達も各々で経験していた。


「あれは手強いなぁ。こっちが逆に驚かされたぞ」


本来は汚れのない白を身にまとっている鶴丸国永。
しかし血で汚れた今は実に鶴らしい。


「さて、どうしますか…」


小狐丸が上座にいる刀剣男士に視線を向ける。
刀剣男士達の上に立ち、束ねているのはこの刀。
瞳に三日月を宿す


「何、慌てるな。ボロが出るのを待てば良い」


天下五剣の三日月宗近。
余裕そうに笑みを浮かべるも、瞳の奥は黒く濁っていた。


「その時を待ち…殺せば良いさ」


その言葉に刀剣男士達は頷いた。

瞳に再度宿るのは憎悪の光。

空気が淀み、殺気が充満する中、加州清光はぎゅっと固く拳を握っていた。

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