告白 ページ32
仕方なく出された手をとり、
挫いた右足を庇うように立ち上がろうとしたけど、
ついよろけて気付けば雄島さんの胸に。
『…す、すみません』
すぐに離れようとしたのに、
雄島「捕まえた」
ガッチリホールドされて身動きがとれない。
『…どうして私なんか口説くんですか。
周りにいくらでも綺麗な人たちがいるのに』
雄島さんは近くのベンチに私を座らせると、
雄島「…理由はもう言ったと思うけど、
もう一度聞きたい？」
『…いえ…結構です』
雄島さんがしゃがんで
私の目線に合わせてくるから
『タクシー呼んで帰るんで、
もうほっといてください』
雄島「ほっとけない」
『私、恋愛なんてしないって何度も言ってますよね！
そもそも雄島さんは私のタイプとは全然違うし、
私は仕事が100万倍も大事だし、
それ以外のことにさくエネルギーなんて
ぜんぜん残ってなくて…』
雄島「じゃあ、
Aさんのタイプを教えてよ。
そんで、仕事の邪魔はしない。
君に残ったちょっとの時間を
僕にくれたらそれで良いから」
『…どうして引き下がってくれないんですか』
雄島「好きだから。君をもっと知りたいから。
何度も言ってるけど、それだけじゃダメなの？」
『信用出来ません。。
一体どこでこんな可愛くない女のことを
好きになったのか』
雄島「そういうとこだよ。
きっと、君はそういう防波堤を
いっぱい積み上げて強がってないと
生きてこられなかったんだろうけど、
本当の君はそうじゃないんだと思う。
何かに遠慮してる？それとも怯えてるのかな。
目を背けようと必死に見える」
『わ、わかったようなこと言わないでください』
雄島「なら教えてよ。君のこと」
『私を知ったら幻滅するかもしれませんよ』
雄島「それ、幻滅されたくないって聞こえるけど？」
『あーもう、これ以上、かき乱さないでください』
雄島「それはできない。
僕をそれだけ意識してくれてるってことだから」
『…もう、帰ってくれませんか。
ひとりになりたいんです』
雄島「わかった。
でもタクシー来るまではいさせてよ」
それから無言だった雄島さんは、
タクシーが見えるなり立ち上がって
「おやすみ」って頬にキスしてから帰って行った。
…おさまれ、おさまれ。
そう願うほどに
頬には熱を持つし、心臓が鳴る。
思い出せ、過去の失敗を。
イケメンを彼氏にしてロクなことにならなかったことを。
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こちいこ(プロフ) - みはるさん» みはる様、コメントありがとうございます！需要ないと思いながら書き始めたので嬉しいです。なるべく更新止めないように頑張ります！ (2021年8月7日 16時) (
レス) id: a9b3fdfb3a (このIDを非表示/違反報告)
みはる - 初めまして。このお話面白いです！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください。 (2021年8月7日 14時) (レス) id: 5d16bd346f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちいこ | 作成日時：2021年7月25日 20時
