私の仕事 ページ11
…
朝方4:50
自分の納得がいく曲が出来上がって
ひとつ伸びをしたあと、
私は机に突っ伏した。
…
コトン、
近くで何かの音がして目を開けると、
私は机じゃなくて、休憩室のソファにいた。
へ？
どうやってここまできたんだっけ？
起き上がると音の犯人が目の前に。
反対側のソファに座って
コーヒーを飲みながら
こちらを見ているちょっと憎き存在。
『も、もしかして
社長が私をここに運んだんですか？』
雄島「涼宮さん、おはよ。
社長じゃなくて雄島だって。
涼宮さん机で寝てたから痛いだろうと思って
僕が移動した。何かマズかった？」
『いえ、…ありがとうございます』
ちら、と時計を見るともう7:00で。
『雄島さんは社長就任早々、
休日の早朝出勤ですか。お疲れ様です』
雄島「君こそ、徹夜お疲れ様。
もう少し寝る？」
『寝ませんよ。サウンド室に戻ります』
雄島「じゃあ、僕も行く」
コップを手に立ち上がった雄島さんが
なぜか私の後ろをついてくる。
『あの、雄島さん、何か御用ですか？』
雄島「うん。君がどんな仕事してるのか
見てみたいと思ってね」
『え？私の作業を見にくるんですか？』
雄島「うん。だめ？」
『いや、だめじゃないですけど』
なんなの？抜き打ちかなんか？
徹夜もしなきゃいけない仕事なのかどうか
私のスキルを見て評価するつもり？
雄島さんは宣言通り私の後ろに座って
コーヒーを飲みながら
ただただ私の工程を見ている。
雄島「あ！ねぇ、今、どこが変わったの？」
『え？あー、音の厚みをだすために
ピアノを足しましたけど。
違いわからなかったですか？』
雄島「…うん。ね、もっかい、
ピアノなしver.聴かせてよ」
2パターン再生中
雄島「あー、ん？
たしかに音量がデカくなったかも。
それなら単純に
今の音のボリュームをあげれば、
なんて、プロに失礼か。
ワンシーンにこんな時間と労力かかるなんて
ゲーム音楽も侮れないね」
この言葉にちょっぴりカチンときたけど、
そんな単純な仕事じゃないんだって見返したくて
いつのまにか雄島さんの存在を忘れて
作業に夢中になってた。
だから、
雄島さんが退出したのも気がつかなかった。
作業がひと段落したから
私は朝ご飯とお昼ご飯を買いに出た。
会社に戻ってきたときには
机の上に赤のカフェオレが置かれてたから
雄島さんが買ってきてくれたんだろう。
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こちいこ(プロフ) - みはるさん» みはる様、コメントありがとうございます！需要ないと思いながら書き始めたので嬉しいです。なるべく更新止めないように頑張ります！ (2021年8月7日 16時) (
レス) id: a9b3fdfb3a (このIDを非表示/違反報告)
みはる - 初めまして。このお話面白いです！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください。 (2021年8月7日 14時) (レス) id: 5d16bd346f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちいこ | 作成日時：2021年7月25日 20時
