Night Doctor 夜の闘い⑵ (ページ8)

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Ep.57 ページ8

『あなたが本当のことを話されない理由は何ですか。
あなたも私たちも日向くんを救いたい想いは一緒です。
ですが、あなたが本当に保護者でないのなら
ご両親は日向くんを探しているかもしれない。
日向くんだって疾患が見つかっても
手術さえ受けられないんですよ』

高岡「役所に問い合わせます！」

母親「待って！やめてください！
それだけは絶対にやめてください！」

高岡「本当のご両親が心配しているはずです！」

母親「心配なんてしていません。
そんなことをしたら
またあの子に何をされるか分かりませんから」

『越川さん、落ち着いてください。
あなたはご両親を知っていて、
日向くんの虐待から守るために連れ出したのですか』

母親「…」

深澤「マジかよ」

成瀬「ちゃんと説明してください」

朝倉「このままじゃ、私たちは何も出来ません。
日向くんのためを想うなら本当のことを話してください」

母親「日向くんは、実の両親から虐待を受けていたんです。
アパートの隣の部屋に住んでいた私は
日向くんが食事もまともに与えてもらえず、
狭い車の中に閉じ込められている姿を
何度も見ていたんです。
心配で、どうにか助けてあげたくて、
児童相談所に通報したんです。でも…」

成瀬「保護期間が終わり、
また両親の元に返されたんですね」

『虐待がまた繰り返されていた、と』

母親「あの両親は反省するどころか、
日向くんに"また余計なことを言ったら許さない"と
怒鳴っていました。
私はあの子は殺される、そう思って
両親が出かけた隙にあのアパートから…！

あんな人たち、親じゃありません！
私の方がよっぽど日向くんを大切に思ってます！」

『あなたがしたことはとても勇気のいることです。
…でも、』

看護師「先生！日向くんの容態が！」

すぐに日向くんの元に戻る。

全身状態を見ると、出血栓があちこちにあって、
『成瀬先生、これ』

頭部CTをしている間、
私はstaff stationに戻って
片っ端から出血傾向のある疾患を調べていた。

血流病でも、白血病でも、ヒットでもない…

…

…

『成瀬先生！
この、オスラー病っていう
疾患の可能性はどうですか！？』

資料を持ってそちらに向かうと、

成瀬「あぁ。こっちも脳出血があった。
俺もオスラー病だと思う」