Ep.53 ページ4
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次の日の引き継ぎで、
高岡先生が手を挙げた。
花園詩織さんの症状は精神疾患の疑いだ、と。
本郷「柚月、朝倉、お前たちはどう見る」
『実は私も花園さんの症状が気になっていました。
まだ知識が足りていなくて確信はなかったのですが、
この高岡先生が作った資料のおかげで
精神疾患の疑いが強いと確信しました』
朝倉「高岡がそういうならコンサルすべきだと思います。
同じ医者として私は高岡の診る目を信頼します」
本郷「わかった。
ただし、高岡。
脳外の交渉、患者の説得、精神科の紹介は
すべてお前がやれ。できるな？」
高岡「はい。やらせてください」
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高岡先生がちゃんと花園さんに向き合ったおかげで
彼女は精神科の診察を受けることになったのだった。
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少し前に
風斗がうちの脳外科で検査をして
やはり手の施しようがないという結果だったけれど、
脳外にはお世話になった。
そのお礼もあって脳外を覗きに行くと、
精神科の診察を終え、
脳下のstaff stationに高岡先生が入ってきた。
『あ、高岡先生。お疲れ様。
花園さん…どうだった？
…あ、では、里中先生、ありがとうございました。
失礼します』
高岡先生と自分たちのstaff stationに戻ってきてから
花園さんの結果を教えてもらった。
高岡「柚月、この間のカンファの時…ありがとね」
『ううん。私は何も。
やっぱり見立て通りBPDだったかー。
実はね、元々の性格が怪我や恋人のことで助長されて
気が立ってるだけのケースもあるし、
もう少し調べてから
高岡先生に相談しようかな、と思ってたんだよね。
早い段階でコンサル出来て本当に良かった。
高岡先生、お手柄だね』
高岡「柚月こそ、
自分の患者じゃないのによく気づいたよね。
…信じてくれてありがと」
『朝倉先生も言ってたように、
私も医者としての高岡先生を信じてるだけだよ』
高岡先生と外に出てきたら、深澤先生がいて。
高岡「あれ、深澤」
深澤「よっ！あれ、柚月も一緒だったんだ」
この一言に、
深澤先生が高岡先生を待ってたことがわかって
私はここで別れた。
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作者名：こちいこ | 作成日時：2021年9月26日 10時
