Ep.42 ページ43
しんごくんを呼びに行こうとしたら、
逆に自分から入ってきた。
息子「…父さん。
…手術を受けて欲しい」
下田「…しんご…」
息子「…あんな家、手放せよ！
家なんてどうだっていい！！
俺置いて勝手にひとりでいなくなるとか、
そんなの…そんなの絶対許さない…！！」
下田「しんご…」
息子「…俺は父さんに生きてて欲しいんだよ」
しんごくんの涙に感化されて
ついもらい泣きしそうになった。
きっと下田さんにも伝わったよね。
そして、
しんごくんの代筆で手術承諾書が
本郷先生の手に渡った。
私はしんごくんの肩をポン、と叩いて
『お父さんと頑張ってくるから見守っててね』
そう言って手術に入った。
しばらくすると、
桜庭先生から電話が入って
昼間に手術された東條さんが軌道閉塞を
起こしているらしい。
本郷「今こっちは手が離せない。
〜の処置が終われば柚月を向かわせる。
それまでお前たちにできることをやれ！」
.
.
こっちの手術は順調に進んだおかげで
本郷先生からフォローに行け、と指示された。
急いで戻ると、
気管挿管ができない時の次の手、
輪状甲状靭帯切開をしようと
メスを握る桜庭先生が。
患者はサチュレーションも下がっていて
一刻を争う。
『桜庭先生、大丈夫。落ち着いて。
甲状軟骨と輪状軟骨の間を探って
そこを一気に切開するの』
でも、手が震えていてメスを入れられないみたい。
桜庭「…お願いします」
私が隣に来た途端、
メスを私に託そうとする桜庭先生。
私は桜庭先生の手をギュッと握ってから、
そのメスを桜庭先生にしっかり握らせた。
『…桜庭先生ならできる。
本郷先生という素晴らしい医者の元で
勉強してきたんだから。
これからも本郷先生の後ろを
歩んでいきたいっていう本気を見せて。
私もフォローするから』
ひとつ、深呼吸した桜庭先生の目が変わった。
きっと覚悟が決まったのだろう。
メスを入れた桜庭先生のフォローに入る。
気管チューブが無事に差し込まれたのを確認して
縫合糸で固定すると、
無事にサチュレーションが上がってきて。
桜庭「やった…！…」
桜庭先生は成功した、と思って
もうすでに終わったかのように
患者から一歩下がっている。
『桜庭先生、喜ぶのは早いよ！
まだ処置は終わってないよ！
ドレープ外すんだからそっち持って』
桜庭「あ、…はい！」
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こちいこ(プロフ) - ゆかりさん» ゆかり様 コメントありがとうございます。なかなか物語が進められず…オリジナル感もなくって感じですけど、引き続き楽しんでもらえたら嬉しいです。 (2021年8月24日 16時) (
レス) id: a9b3fdfb3a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2021年8月24日 15時) (レス) id: 546ce68c7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちいこ | 作成日時：2021年8月16日 8時
