Ep.40 ページ41
息子「…なんですか」
『さっきも聞いたんだけど、
しんごくんは、どう、思ってるの？
…倒れたお父さんを見て、
あなたは救急車を呼んでくれた。
お父さんを助けてほしいって思ったから
救急車を呼んでくれたんだよね？』
息子「いいじゃないですか、そんなこと。
たしかに助けは呼んだけど、
父が死にたいって言うんだから。
死にたがっている人を無理に
生きようとさせなくても」
『…そっか。
あなたは本当に優しくていい子なんだね。
私たち医者は
どんな患者であろうと助けたいっていう想いで
働いているんだけど、
例えばね、あなたのお父さんが
あなたや認知症のお婆さんを
虐待とか介護放棄をしているような男性だったら
すぐにお父さんの元を離れるように
対応、対策を考えるの。
でも、あなたのお父さんはそうではない、でしょ？』
息子「！！、父はそんなことしません。
毎日毎日ばぁちゃんの介護して、
すごい苦労してきたんです。
借金は増える一方だし、
きっともう全てが疲れちゃったんだと思います」
すると、
足音とともに桜庭先生がやってきて。
桜庭「…僕もしんごくんと話ししたくて」
息子「さっきからなんなんですか。
父が、本人が、もう手術したくない、
って言ってるのに」
桜庭「だって、
お父さんを説得できるのは君しかいないでしょ！？」
息子「…だから、説得しようとしたところで、
死にたがってる人を無理に生かしても…
そんなのエゴ、じゃないですか。
きっと、もう楽になりたいんですよ」
『しんごくんがお父さんのその気持ちを汲んで
諦めようと思っていることはわかったよ。
…でも、
しんごくんやお父さんは
現実を知らなくてはいけないね。
ひどい言い方しちゃうけれど、
お父さんがこのまま亡くなったら、
親戚もいない未成年のしんごくんは
児童養護施設に入所することになって、
認知症のお婆さんは
介護施設に入所することになると思う。
ただ、児童養護施設の入所は18歳までで、
そこから先は独り立ちするしかなくなるの。
お父さんの借金や借りている奨学金を返しながら
働く生活になるかもしれない。
だからこそ、しんごくんは
自分の人生がどうなるかを考えた上で
お父さんの手術に同意するかどうか
決める必要があるの』
息子「…失礼します」
本郷「エゴで何が悪い！」
向こうから本郷先生もやってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 235人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こちいこ(プロフ) - ゆかりさん» ゆかり様 コメントありがとうございます。なかなか物語が進められず…オリジナル感もなくって感じですけど、引き続き楽しんでもらえたら嬉しいです。 (2021年8月24日 16時) (
レス) id: a9b3fdfb3a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2021年8月24日 15時) (レス) id: 546ce68c7d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こちいこ | 作成日時：2021年8月16日 8時
