Ep.26 ページ27
気持ちを切り替えて出勤。
まずは、斎藤さんの傷の様子を診る。
うん、ちゃんと縫合できてる。
『傷は問題なさそうです。
また時間おいて診にきますね』
片付けをして戻ろうとすると、
斎藤さんに腕を掴まれた。
『斎藤、さん？』
ふりむくと、
「…(パクパク)」
喋れない代わりに何やらニヤリ、とした表情。
『どうか、しましたか…？』
その表情から本能的に
やばい、そう警報が鳴った。
ちょっと後退りしながら、
『お手洗いでしたら…』
そう言うと、
成瀬「柚月、離れろ！！！
ソイツ、変質者だ！！！」
その声で斎藤さんのスイッチが入ったらしく
私は両腕を掴まれてテーブルの方へ押しやられる。
学生時代に習ってた護身術で
掴まれた両腕を引き抜こうと力を入れた時、
足元に転がっていた
ビニールのゴミを踏んだ拍子に
私の身体は斎藤さんとともに床へ沈んだ。
ドターン、
思いっきり背中を打ち、
あまりの痛みに悶えそうになったけど、
目の前には自分に覆い被さる斎藤さんがいる。
「んんーんんー」と声を出しながら
ぐぐぐ、と顔を近づけられ、
思いっきり顔を背けた瞬間、頬に唇が当たった。
ぞわわわわ…
このままじゃ本当に襲われる！！
これは急所を蹴り上げるしかない。
そう足をあげようとした時、
桜庭先生が突っ込んできて
私と斎藤さんを引き剥がしてくれた。
成瀬先生と高岡先生が駆け寄って
心配してくれてるけど今は逃げてる場合じゃない。
だって、桜庭先生が襲われてるんだから。
何か…、何か助ける方法！！！
自分のポケットをペタペタ触って
触れた胸ポケットのペンライトで閃いた。
横にいる高岡先生のペンライトも奪いとって
『桜庭先生を離しなさいっ！！！！』
斎藤さんの目に思いっきり
ペンライトの焦点を当てると、
眩しさで目が眩んだ斎藤さんが
桜庭先生から手を離して目を覆った。
『今です！！！』
成瀬先生と深澤先生が
暴れまくる斎藤さんを取り押さえようとしたら
近くにクーパーが落ちているのが見えて。
やばい！
無我夢中でクーパーを遠ざけようと
足を伸ばしたけど、一瞬遅かったせいで
斎藤さんに奪われて。
斎藤さんがクーパーを持った腕を上げた瞬間、
上半身を押さえつけていた私はスクラブを、
桜庭先生は腕を斬りつけられてしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 235人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こちいこ(プロフ) - ゆかりさん» ゆかり様 コメントありがとうございます。なかなか物語が進められず…オリジナル感もなくって感じですけど、引き続き楽しんでもらえたら嬉しいです。 (2021年8月24日 16時) (
レス) id: a9b3fdfb3a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2021年8月24日 15時) (レス) id: 546ce68c7d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こちいこ | 作成日時：2021年8月16日 8時
