Ep.12 ページ13
爆発事故によって周りが大混乱の中、
小学生の子どもが目の前で転んだのを
助けようとして自転車にひかれたらしい。
幸い自転車だったから
今、こうして命があるものの
バイクや車だったら、と思うとゾッとする。
とりあえずまた検査がおわるまでは
風斗は入院。
ひとまず私はお母さんを連れて
病院の外のベンチに移動した。
１回外の空気を吸わないと
みんな共倒れになりかねないから。
お母さんは泣き疲れて眠ってしまったし、
しばらくここにいることにした。
ぼーっと外の様子を見ていたら
見覚えのある横顔が病院から出てきて。
私は声をかけた。
『桜庭先生？』
桜庭「…え？Aちゃん？」
『なんで、ここに…？』
桜庭「Aちゃんこそ」
『私は…昨日ここに運ばれた急患が
私の知り合いで』
桜庭「あ、もしかして昨日深澤に聞いてた
交通事故の患者？…」
『そう』
桜庭「だから夜中に帰ったんだ。
その人、大丈夫だったの？」
『とりあえずは。
脳疾患のある人だからさ、
頭部外傷って聞いて肝が冷えたけど、
今朝、ちゃんと会話できた』
桜庭「良かったね。
緊急とは言ってもさ、
あんな真夜中に帰るの危ないよ？
変な人に襲われたりとかさ」
『ははっ！ありがとう、心配してくれて』
そう言って笑ったら
桜庭「うわぁ、
Aちゃん笑うとかわいいよ。
そうやって笑ってた方が全然いいよ」
『なに、急に。変なこと言わないで』
桜庭「あ、そういえばさ、
昨日浴衣みたいなやつ着てたじゃん」
『甚平ね』
桜庭「誰かとデートだったの？」
『プライベート踏み込んでますけど』
桜庭「えーいいじゃん。同期だしさ。
隠し事ゼロでいこーよー」
『桜庭先生ってほんと軽い』
桜庭「あ、その桜庭先生も硬いから瞬でいいよ。」
『いや、それはちょっと…』
桜庭「…で？デート？」
うわ、なにそのキラキラした目。
言わなきゃずっと聞かれるかも…。
えーい、この際やけくそだ！
『そうよ、婚約者とはじめての花火大会。
私は彼を放って救命に行ったら
彼が事故に遭ってたの！』
桜庭「え…
じゃあ、ここに運ばれた急患、婚約者？」
『だから、そう言ってるでしょ』
桜庭「なんか、ごめん」
『謝らなくていいよ。
じゃあ、今度は私の番。
桜庭先生はなんでここにいるの？』
桜庭「えっ？」
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こちいこ(プロフ) - ゆかりさん» ゆかり様 コメントありがとうございます。なかなか物語が進められず…オリジナル感もなくって感じですけど、引き続き楽しんでもらえたら嬉しいです。 (2021年8月24日 16時) (
レス) id: a9b3fdfb3a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2021年8月24日 15時) (レス) id: 546ce68c7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちいこ | 作成日時：2021年8月16日 8時
