Ep.11 ページ12
緊急オペを開始したけど、
人手不足でなかなか進まない。
血圧も下がりだしているし危険な状態だ。
早く血栓を除去しなければ
そこに成瀬先生が来てくれて
ようやく作業効率が上がった。
.
.
無事にオペが終了して、
周りの様子を見に行くと救命内も落ち着いてた。
.
自席について携帯を見ると、
風斗のお母さんと病院から着信が。
すぐ折り返し電話をかけたら、
風斗が帰り道、交通事故に巻き込まれた。
意識はあるらしいけど
頭を打ってるから検査が必要だって。
病院は何故かかかりつけでもないし
ここから遠い。
.
私は血の気が引いた。
そして、
違うことを祈りながら、
深澤先生の元に。
『今日私がここに来る前、
交通事故による頭部外傷の30代男性、
受け入れ要請あった？』
深澤「え、…あ、うん。
でも俺ひとりだったし頭とかこえーし、
断ったけどなんで…」
『…わかった』
深澤先生が悪いんじゃない。
私が傷病者を優先して
彼をひとりで帰したのだから。
あそこで彼と一緒に過ごしていれば
彼を守ることが出来たのかもしれない。
どうしていつも私がいない時なの。
『私、急用ができたから帰るね。
勝手して申し訳ないけど、
患者の管理と後片付けを
よろしくお願いします！お疲れ様でした』
みんなは私の早口な挨拶とただならぬ雰囲気に
ポカン、としていた。
桜庭「え、え！？今から帰るの？
まだ夜中だよ、危ないよ！」
『大丈夫、ありがとう。
急用だから行かないと。
また明日』
私は急いで風斗が運ばれた病院
「柏桜病院本院」へタクシーで向かう。
頭を打っているから
これによって
腫瘍が大きくなるかもしれないし、
そもそも何か障害が出てるかもしれない。
お母さんは面会者用の待合室で泣いてた。
「なんで風斗をひとりにしたの。
こんなことになるなら
お祭りなんて行かせなきゃよかった。
２人でいい思い出作る、そう言ってたから
あなたに任せたのよ！
それなのになんで風斗置いて仕事してるのよ〜！
あなたのこと娘のように大好きなのに、
嫌いになりそうよ〜(泣)」
私の顔を見て泣き喚くお母さん。
お母さんを抱きしめながら
私はまた謝ることしかできない。
どれだけの命を救おうと、
大切な人を救えないんじゃ意味がない。
私は無力だということを
改めて実感させられた。
.
.
朝、面会可能時間になって
風斗に会いに行くと、謝られた。
私が謝るべきなのに。
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こちいこ(プロフ) - ゆかりさん» ゆかり様 コメントありがとうございます。なかなか物語が進められず…オリジナル感もなくって感じですけど、引き続き楽しんでもらえたら嬉しいです。 (2021年8月24日 16時) (
レス) id: a9b3fdfb3a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2021年8月24日 15時) (レス) id: 546ce68c7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちいこ | 作成日時：2021年8月16日 8時
