第3章 ページ39
この間、話した時に
お姉さんがいる、なんて何も言わなかったよね。
訳ありとかそういう類いなのだろうか。
分からないことだらけだったが
母に礼を言って祐一さんの元に戻った。
祐一「ごめん、待たせて」
「どうかしたんですか?」
祐一「…うん。この間、父さんが倒れてから
ずっと考えていたんだ」
…
祐一「僕、父さんの跡を継ぐために
経営を本気で学ぼうと思う」
え、急に何?
多分私の目は今、点になっているだろう。
「…っ、ちょ、ちょっと待って下さい!
じゃあ、インドでの起業は…?」
祐一「キッパリ諦める」
この芯の強い目が意思の強さを表していた。
ここで私が何か言えば恐らく喧嘩になる…
と、わかっていても止められなかった。
「社長が体調を崩されたから
夢を諦めて跡を取るですって!?
そんな大事なことそんな簡単に…」
祐一「簡単じゃないよ…!
悔しい、
ようやく拓けた道が閉ざされたようで。
…
…僕は子どもの頃から父さんを見てきた。
父親として、大企業の社長として
ずっと尊敬してきた。
スーパーマンのような父さんに憧れていたけど、
僕は父さんみたいにはなれないって
思うようになった。
うちには、優秀な役員、そして社員がいる。
だから僕が継がなくたって
別に良いんだってずっと…そう、
ずっと思ってきたんだ。
…でも、父さんがもしかしたらこのまま…
って思ったら、
一代で築いた柏木コーポレーションは
当然、別の誰かのものになる。
っ、それがとてつもなく悔しいって
思うようになった」
私も一応社長令嬢だから
気持ちはよくわからなくもないけど、
それでも私は頭にきていた。
どれだけ振り回せば気が済むの。
「ごめんなさい。私、帰ります」
祐一「えっ!待って!!」
「ごめんなさい…!!
しばらく整理する時間を下さい」
私は掴まれた腕を振り払って
病院を後にした。
じゃあ、私が妻として
全力で貴方を支えますって
不安な祐一さんに笑顔で言えたなら
どんなに素敵な恋人だろう。
でも、私。
正直、もう勝手にしてくれって思っちゃった。
だって、今まで…思い返せば
祐一さんは黒木さんとの婚約と
インドでの起業を宣言して
婚約が白紙になったのに
あっさり退社しちゃって、
社長(父)との交渉で
交換条件に私と留学計画(婚約者候補!?)
私との交際が始まって
インドへの視察に行きだしたら
社長が倒れて…家継ぐって…
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こちいこ(プロフ) - さかなちゃんさん» いつも応援ありがとうございます!描こうと思ってたストーリーを変えて、思いつきで描いたらちょっと失敗気味ですが、波乱の幕開けとしたいので、もうちょっとハラハラして下さい(笑) (2018年12月16日 21時) (レス) id: 0b60cb1e95 (このIDを非表示/違反報告)
さかなちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます!2人がくっついて嬉しいんですけどお父さん体調不良でどうなるんだろう・・・?とハラハラみてます。さらに年下くんともどうなるんだろう?続き、楽しみにしてます! (2018年12月16日 19時) (レス) id: 6abe047d30 (このIDを非表示/違反報告)
こちいこ(プロフ) - さかなちゃんさん» いつもコメントありがとうございます!実は前からこんな展開を描いていて、でもなかなかその内容を出すタイミングが掴めずに非公開にしていたんです。今回、無理矢理公開したので一気に更新となりましたが。新キャラ登場で、話に動きが出るといいなと思っています。 (2018年12月9日 1時) (レス) id: 0b60cb1e95 (このIDを非表示/違反報告)
さかなちゃん(プロフ) - 大量更新ありがとうございます!ライバル出現にビックリです!でも振り回される主人公、可愛いですね。優しいだけじゃなくていろんな顔の祐一が見られそうな展開で楽しみです! (2018年12月8日 20時) (レス) id: 6abe047d30 (このIDを非表示/違反報告)
こちいこ(プロフ) - さかなちゃんさん» 早速読んでいただけたんですね。ありがとうございます。完全に迷走しています。もうちょっといちゃいちゃさせたいです。頑張ります(笑) (2018年12月6日 18時) (レス) id: 0b60cb1e95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こちいこ | 作成日時:2018年11月17日 8時