結婚相手募集され中2《サバイバルウェディング》

一難去って ページ33

…良かった、大事にならなくて。

返信をして仕事に戻る。





週末は祐一さんがインドに行く日だ。

金曜の夜に発つと言われていたから
お見送りに空港に向かった。



軽くハグをされて、行ってきます！と
嬉しそうに搭乗していった。

余程、インドが好きだと見える。





今回は1週間行くって言っていたから
数日は現地調査も出来るんだろう。






…






それから3日後のことだった。



柏木社長が救急車で運ばれたという
連絡が入ったのは。


この間検査して異常なかったのに、何故？








ようやく入ってきた情報に私は唖然とした。






"急性心筋梗塞"






命に関わる病気なだけに足がガクガクした。

何故、祐一さんが居ない今なの？




私の両親も駆け付けると言ったが、
柏木グループはもちろん、
我が川村グループでも
緊急会議が執り行われるという。



私は仕事を早退して病院へ駆け付けた。




手術室前の廊下には秘書と奥様がいたが、
奥様の泣き崩れる姿は本当に痛々しくて。



私は奥様の背中をさすりながら、
手術終了を待った。






私が到着してから40分程度経った頃、
手術室のランプが消えた。




カテーテル治療だから
2時間半程度で手術は終了したが、
これからCCUという
冠状動脈集中治療室に入るのだそうだ。




とりあえず、
無事に手術成功とのこと。


良かった、





祐一さんにメールで手術無事終了の
連絡を済ませる。


祐一さんは駆け付けられなかった分、
かなり緊張度が高かったことだろう。






奥様から後に聞いた話、
社長は少し前から心臓に痛みがあり、
夜眠れなかったり、階段が辛かったりという
自覚症状があったらしい。

それで前回の寝不足や過労…！？



その時点で心筋梗塞の前段階だったのに、
不規則で起こる狭心症は
検査では引っかからないことが多いから、
異常なしと判断されてしまったのだとか。

社長が前回、病院で医師に
ちゃんと相談していれば
負荷検査などで分かったかもしれないのに。



奥様は夫が病に苦しんでいたことを
知らなかったのだそうだ。

その事実は奥様を
更に苦しめたことだろう。


あの可愛らしい奥様が
社長に対して怒りを持つのも当然だ。






こうして、事なきを得たけれど、
やはり後継者問題が脳内にチラつく。



心筋梗塞を起こした以上、
リハビリが必要らしいし、
疲労等を考えると
業務における制約が出てくるだろうから。



しばらくは専務が社長代理をするらしい。

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