結婚相手募集され中2《サバイバルウェディング》

行方知らず ページ28

程なくして、夕飯を作り上げた私は
へなへな〜、とソファに横たわった。


すぐ戻るって言ってたけど、
どのくらいだろう。


あ、携帯、置いたままだから
本当にすぐかもしれない。





…ふう。


昨日と今日は色んなことがあった。

昨日は優璃のパーティーで
エスコートされて

今日は荒木くんとお出かけして

…25年間1度もなかった私の人生で
キスをされるという事件が2回も起きて…





祐一さんと付き合うことにしたは良いけど、
心臓何個あっても足りないな。


ああやって言葉や行動で示してくれると
本気で愛してくれてるのかな、って
ちょっと実感も出来るけど、

比較的ドライな性格な私は
あんなキラキラしたような台詞を吐いたり、
可愛い女子の真似事なんて出来ない。

温度差あるよね。





…カチコチ…カチコチ…





シンとした部屋では
振り子時計の音がやけに大きく聞こえる。


私はあの秒針の音も振り子も好きだ。

電波時計だから基本的に狂うこともないし、
ずっと同じように動き続ける。


今日もお疲れ様、と心の中で言葉をかけ、
ぼーっと振り子を眺めるうちに、
うとうとし出して。



眠い…ちょっとだけ…




…


ゆら




ゆら




…





カクン、

！！ハッ！！



完全に居眠りをしまい、
ハッとして目が覚めた。



どのくらい寝ちゃったのかな！？




時計を見ると、7時半を回ったところ。


あれから30分も寝てたのか、
自分の大物さにびっくりしつつ、
お部屋を見渡すも、彼の姿はない。



すぐ戻るって言ってたけど、
どうしたんだろう。


携帯も此処にあるし…






そういえば、
私の携帯はどこだっけ？


帰ってきてから
一度も開いていなかった携帯電話は
着替えるために入った
寝室に置いたままだったらしい。




…え、8件の着信？



見ると、母と優璃から。


とりあえず何かあったんだ、
ということが把握出来るだけに
急いで母に折り返した。



母「やっと出た！
祐一さん！祐一さん、一緒！？」



「え、祐一さんは、
さっき30分前に出て行ったきり、
まだ帰って来ないんだけど」




母「どこに行ったの！？まさか喧嘩？」



「ううん。してないし、
すぐ戻るって言って出たんだけど…」



母「すぐ彼に連絡して頂戴！
緊急なのよ！」




「緊急って…要件は！？」


私も母も声のトーンが上がっていた。


母「柏木社長が倒れたらしいのよ！
奥様が電話してるらしいんだけど、
繋がらないって」



え、

緊急事態→←赤い顔

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