結婚相手募集され中2《サバイバルウェディング》

天然たらし ページ26

祐一「充分！何か手伝うことある？」



「大丈夫です！ソファで待ってて下さい」



祐一「それはちょっと寂しいよ…」



！！！！




「祐一さん、
そんな子犬みたいな目しないで下さい」




祐一「何それ、子犬みたいって」




「女子はこういうのに弱いんです、…多分。
あんまりやらないで下さいね」




祐一「今の何？」




「逆に何ですか？」




祐一「なんか、
ヤキモチ妬いてくれたのかと思った」



「え？」



祐一「私以外にはやらないでって
言われた気がした。
うん、分かってる。自己解釈し過ぎって」




自分で突っ込んでるよ、



「そこまでは言ってないですけど、
でも、モテるってこと自覚してくださいね」




祐一「…可愛いなあ、もう」


つぶやくように言われて
じわじわと熱が顔に集中してきたから、
彼の位置から見えないIHの前に立って
片手で顔を扇ぐ。


天然たらしってきっと彼のことだ。


すると、いつの間にこちらに来たのか
スッと後ろからハグをされて。



「ちょ、祐一さん！
な、何もしないんじゃなかったんですか」




祐一「あまりにも可愛いから、つい」



「もう〜〜！お料理出来ないし、
恥ずかしいからやめてください」



祐一「ね、何作るの？」



「冷凍のエビがあったので
エビチリと中華炒め、
スープあたりで良いですか？」




祐一「もちろん！
僕、エビとかカニが好きなんだ！」



「じゃあ、出来たら声かけるので
向こうに座ってて下さい」




祐一「…んー。じゃあ、眺めてる」





は？


意味がわからなくて振り返ったら
ダイニングテーブルの方から
人の顔を眺める、ということらしかった。


「そんなに見られてたらやりにくいです。
テレビでも見ててください」





祐一「まだ夢なんじゃないかって思うから、
目に焼き付けときたいんだよ」




「夢？」




祐一「ダメ元で告白したから」




「…そんな風には見えませんでしたけど」




祐一「だから、夢オチだったら困るから
目に焼き付けとかないと」




「…大袈裟な。
だって、仮に私が承諾しなくても
どっちみちこういう関係になるじゃないですか」




祐一「いや、親の言いなりで恋人になるのと
Aの意思で恋人になってもらうのでは
全然違うでしょ」



…それはそうだけど




祐一「…それにさ、
初めて入った好きな子の部屋で
告白OK貰って
挙げ句の果てに手料理が食べられるんだ。
浮かれない方がおかしいよ」


ね、それとこれ、関係あるの？

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