もしもシリーズ ８.１７ ページ17
決勝の前日、私は夏向くんのお父さんのお墓に行った。実はここにはもう何度も来てる。
シェフに愚痴を聞いてもらってるだけなんだけど。
そこに、ジャリ…ジャリ…という足音。
「やっぱりお前かよ」
バッと振り向くと、彼だった。
私「ごめん、帰るね」
そう言って荷物を持って通り過ぎた、ハズ。
ぐ、と右腕を後ろに引っ張られて。
私「え！？痛っ！」
夏向「誰が帰れっつったよ、そこで待ってろ」
私「いい、かえ、ります…」
夏向「なら、その辺に無理やり抑えつけとくか」
夏向くん、物凄い怖いんですけど…
数日前の感じとは全然違う。
私の事嫌いならほっといて欲しいのに。
私「あ、たし、やっぱりかえり、たい」
萎んだ声が出た。
夏向「そんなに俺といるのが嫌かよ」
夏向くんの目が一層強くなった。
私「ち、ちがっ！でも、ごめん」
夏向「明日観に行くからちゃんとやれよ。絶対優勝しろ。終わったら話ある。帰りは俺が送るから迎えは断っとけ」
私は嫌なプレッシャーを浴びて、逃げるようにその場を後にした。
当日
控え室で胃の痛みと闘ってると、ピコン、あの時と同じようにLINEの通知が来た。
「終わったら待ってる。俺に作るつもりでやれ」
…俺様すぎるでしょ、
笑いそうになったことで、ちょっと肩の力が抜けた。
よし、失恋でも何でも終わったら告白しよう。
この間の時より何故か気持ちが安定して、更に想いが強くなった気がする。
だって、優勝、そんなものより貴方が欲しくなってしまったの。
盲目な私。
でも、私の料理で振り向かせたい。
だから、1番の料理を。
結果は1位なし。
2位に私とベテランシェフのおじ様。
…ぽかん、
1位なしって…どう受け止めたら良いの？
掲示板の前は人だかりだから、と誰もいない廊下でうずくまっていると。
「アリカワサン」
見上げると、審査員の有名なシェフだった。
英語だったけど、何とか聴き取ると、
ー優勝は出来なかったが、貴女の腕は本物。
ぜひ、俺の元で新しい風になって欲しい。
納得したなら、ここを訪ねてー
そう言って、小さな名刺を手に握られせてくれた。
…
あまりの衝撃に立ち尽くすしかなくて。
…
…
夏向くんからの着信も出る気にならなくて、LINEで「帰る」と送った。
1週間、私は授業も全て休んで悩んでた。
有名なシェフからの誘い
＝本場でシェフを目指す
教員を目指している現在
シェフとの約束
どれを優先させたら良いの？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こちいこ(プロフ) - ★ルミネ★10月verさん» ルミネ様 いえいえ！大丈夫ですよ！！毎回のコメントに嬉しくてまた書こうという気分になるので＾＾ ただ書き始めるとなかなか展開が浮かばず…という具合なので笑 続編はじめましたー。 (2016年11月3日 10時) (
レス) id: 0b60cb1e95 (このIDを非表示/違反報告)
★ルミネ★10月ver(プロフ) - こちいこさん» そうだったんですね...それなのに急かすようなコメントをしてしまいすみませんでしたm(__)mこちいこさんのペースでよろしくお願いします！ 50話達成おめでとうございます＼(^o^)／絶対続編も見に行きます！！ (2016年11月2日 12時) (レス) id: ba2a671ee4 (このIDを非表示/違反報告)
こちいこ(プロフ) - ★ルミネ★10月verさん» ルミネ様 キュンキュンして頂けて良かったです。ネタ切れで設定や展開が浮かばないのですが…気長にやっていきます。ついに50話達成なので、また続編作ります。良かったら覗いて下さいね、 (2016年11月2日 10時) (レス) id: 0b60cb1e95 (このIDを非表示/違反報告)
★ルミネ★10月ver(プロフ) - こちいこさん» もしもシリーズ12夏向vet完結おめでとうございます！こちらのお話もキュンキュンしながら読ませていただきました♪次のお話も楽しみにしてます(*^^*) (2016年11月1日 22時) (レス) id: ba2a671ee4 (このIDを非表示/違反報告)
こちいこ(プロフ) - どらーる。さん» どらーる。様 コメントありがとうございます。夏向くんのイメージとは違っているかもしれませんが、また楽しんで頂けるように頑張ります♪ありがとうございます(^^)/ (2016年10月27日 15時) (レス) id: 0b60cb1e95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こちいこ | 作成日時：2016年9月30日 7時
