君の半年を僕に【BL】 (ページ6)

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第6話~回想~ ページ6

少し前の話をしよう。
およそ六ヶ月前、まだ寒さの残る初春のこと。平凡だった僕らの日々が一気に変わった。

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それは僕がまださかたんと暮らす前。
今の家とは違う家に住んでいた頃。僕の家で事は起こった。
その時は、そう。たまたまさかたんが泊まりに来て、晩御飯の用意をしていた所だった

「さかたん、サラダ持って行ってくれる？」

「はーい」

まだ元気だった頃のさかたん。もちろん今も元気なんだけどね…

ガッシャーン____________

大きな音が鳴り響いたのだ。

主菜の盛り付けをしていた僕は急いでその音のする方へとかけて行った。

そこにはキョトンとした顔で座り込んでいるさかたんとたくさんのガラスの破片

「ま……ふ…っ」

今にも泣きそうな顔で僕に手を伸ばしてきたのだ。何かに滑って転んだのかと思った僕。

「大丈夫。お皿はまだあるし、野菜はごめんなさいしよう？ねっ」

「うん……あの……ね…ごめんなさい」

ぽんぽんと頭をなで、割れたお皿を大まかに集めていく
掃除機を取りにかけて行って、帰ってきてみるとさかたんはまだそこに座り込んでいた。

「どうしたの？立てる？あ、足切った？」

「あ、うん。立てるよ……っ………！」

立つのだと思った。
一向に君は立たなかった。

それどころか大粒の涙を流し出した

「なん……っ…で………動か…へんの……？」

ポカポカと足を殴る君。
なんで、なんで、そう呟きながら足を揺らしたり、さすったりしているのを僕はただ唖然と見ていた。

その時の僕は病院に行くなんて考えが思いつかなくて。今思えば焦っていたのか。

ひたすら足を揺する君を見てるのがなぜか苦しくて君を胸元に押さえつけた。
覆うように、優しく抱くとすすり泣く声が聞こえてきた。

その泣き声は僕の骨に染みて、脳に染みた。