君の半年を僕に【BL】 (ページ14)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:1,700 hit

第14話ページ14

首がコテンと自分の二の腕によった気がした。

「どうしたの、さかたん」

返事がないところを見ると、寝てしまったのだろうか。
日がだんだんと落ちていき、オレンジ一色だった世界カラフルに変わる。オレンジと紺の境界が紫にも、緑にも、白にも見えて綺麗だった。

「さかたん、さかたん見て。すっごく……」

トントンと、抱いた左手で肩を叩く。
そこで、そこでやっと僕は____________

____________君が旅立ったことに気がついた

「さーかたん……さかたん。ねぇ。驚かせるの、1週間間違ってるよ。ねぇ、お空綺麗だよ」

肩をトントンしたり、頬をつついたりしても君は笑いも、困りもしなかった。

「僕のかわいいお嫁さん。まだ、眠るには早いんだよ。今日は星を見るんでしょ。
ねちゃ……だ…めっ______っ____________」

穏やかだった話し声はだんだんと小さくなって、涙を誘う。
ストンと君を抱いたままその場に座り込んで、涙だけがひたすら流れた。

頬を伝って君の顔にポタポタとしいさな水たまりを作る。
おでこや頬に君が好きな啄むようなキスをたくさん落としながら

「ほら……さかたん…もう十分……っ…驚いたよ………」

肩にあった手を後頭部に移して君を抱き寄せる

「____________っ_____愛してるよ____」

君の薬指がふわりと世界の色を反射した。