13話目 ページ15
白兎とコンビニへ移動している途中についついTwitterを眺めていた時。
かなり拡散されている1つのツイートが私の目に留まった
＿
【拡散希望】
配信者同士で熱愛wwwwww
ぴーちぬこの匂わせは本当だった？
そのツイートに付いている画像は、私と白兎が手を繋いで歩いているというもので。
思わず息を呑んだ。
なんだ、これ。というかこれ、盗撮..？
リプ欄を少しだけ覗いてみると、案の定私への批判ばかり。
｢あうさんがなんでこんな奴と一緒にいるのか分からない｣とか｢配信者としてどうかと思う｣とか。
中には｢盗撮は良くないですよ｣や｢別に配信者さんが恋愛しても良いでしょう？｣といった人もいたけど、大半が誹謗中傷だったり面白がって拡散しようとしている人ばかり。
混乱した私は半泣きで白兎に状況を告げる。
『は、白兎、見てこれ』
私の画面を覗き込んだ白兎は、驚いたように目を見開いた。
｢は？何これ｣
ピコン。2人で呆然と画面を見ていた時だった。
私宛のDMの通知がなる。
嫌だ、見たくない。
頭ではそう思っているのに指は言うことを聞かない。
気がついた時にはさっき届いたDMを見ていた。
てゃんちゃん恋愛したいだけだったらさっさとやめろクソ配信者が
『..あ』
思わず涙が零れる。
それを見た白兎は私の頭を優しく撫でてくれた。
｢とりあえず、コンビニには俺が行ってくるよ｣
｢Aは先に家に帰ってて｣
うん、と素直に頷いて白兎に買い物メモを渡す。
泣き出してしまった私に白兎は
｢大丈夫だよ、ね？｣
とまた頭を撫でてくれた。
白兎と別れ、私が家に向かって歩き出した時。
｢お姉さん、大丈夫？｣
若い男の人の声。
どこかで聞き覚えがあったが、その姿は涙によって見えなかった。
｢僕で良かったらお話聞きますよ？｣
きっと、今の私は弱っていたんだ。
いつもなら決して頷かない問いに、首を縦に振っていた。
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作者名：みそ漬けキュウリで殴る | 作成日時：2020年7月30日 21時
