第九話 ページ10
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「・・・・ねぇ、母さん。私は、全然幸せじゃ無いよ」
朝。夫を見送った後、玄関で一人ポツリと溢す。
例え相手が玉の輿でも、金持ちでも、優秀でも。
私はこの心を埋める事なんて出来ない、そこに愛なんて無いんだから。
あの人が見るのは、私の胸や髪ばかり。私の料理が不味いって自室で腹立たしげに愚痴ってたのも知ってる。
ふいに、ポケットから覗く携帯が目に入った。すると唐突にあることを思い付く。
慣れた手つきで指を動かし電話帳を開く。かつての級友達の名が腐るほど載ったそれを見て、私はキュッと口を結び、そしてニヤッと笑って１つの名前を選んだ。
『もしもし！？随分久しぶりだけど、一体どうし・・・』「同窓会、やろっか」
.
.
『へ？』
「元１年Ａ組全員集合。日取りは任せた」
『ちょっ、Aちゃ・・・！」
そこで有無を言わさず電話を切る。携帯を耳から離し、押し付けてしまった罪悪感から一瞬真顔になり、それから『まぁ、後は頼んだ親友よ』と苦笑する。
掛けた相手は、ひたむきボーイ緑谷君との恋愛説が一時期浮上した(ちなみに真相は皆薄々勘付いてる)、Ａ組の誇る麗らかガール、麗日お茶子ちゃんである。
これは、ただ単にこの重い気分をどうにかしたいだけの逃避行為であった。そんな身勝手な理由で皆を呼び出すのは少々心が痛む。しかし、
(良いじゃん。少しくらい、あの頃に戻りたくなったって)
不幸な私には、それくらいの権利あるはずだ。
.
続く
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名乗るほどのものである(プロフ) - いえいえ♪ (2018年9月20日 21時) (
レス) id: d7c6576408 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 名乗るほどのものであるさん» ありがとうございます！初投稿心細かったので、初コメ心強かったです。どれだけ遅くなっても、なんとしても、完結にまで持って行きたい・・・・（(´ー｀)） (2018年9月19日 17時) (レス) id: d90ef8a117 (このIDを非表示/違反報告)
名乗るほどのものである(プロフ) - すごく面白いです！ (2018年9月16日 14時) (レス) id: 579cc6e1a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カオル | 作成日時：2018年8月6日 23時
