第七話 ページ8
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「お帰りなさい」
扉の開く音を聞き付けた彼女は慌てて玄関に向かい、愛想良く目の前の男に笑い掛けた。
帰宅した男は彼女の唇に触れるだけのキスを落とすと、ニコリと微笑む。
「ただいま」
「も、もう。本当に・・・・」
彼女は適切な言葉を探しに探した末に曖昧な言葉を絞りだし、苦笑して頬を掻いた。男はスーツの上着を預け、『ごめん、夕飯は外で食べちゃった』と申し訳無さそうに告げる。
「いいですよそれくらい。会社のお勤め、ご苦労様です」
「ハハ、ありがとう。今日は特に大変でさ、風呂入ったらすぐ寝る事にするよ」
「そうしてください、明日も早出でしょう？」
気遣わしげに彼女、
彼の推測は合っている。彼女はもう、ひた向きにヒーローを目指す希望に満ち溢れた少女でもなければ、新橋でさえない。
幼い頃から目指し続けてきた夢を捨て、偽りの愛を述べる薄情な夫に尽くす、偽りの幸福者であった。
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名乗るほどのものである(プロフ) - いえいえ♪ (2018年9月20日 21時) (
レス) id: d7c6576408 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 名乗るほどのものであるさん» ありがとうございます！初投稿心細かったので、初コメ心強かったです。どれだけ遅くなっても、なんとしても、完結にまで持って行きたい・・・・（(´ー｀)） (2018年9月19日 17時) (レス) id: d90ef8a117 (このIDを非表示/違反報告)
名乗るほどのものである(プロフ) - すごく面白いです！ (2018年9月16日 14時) (レス) id: 579cc6e1a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カオル | 作成日時：2018年8月6日 23時
