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◇14 ページ14
今度は3人で、電車の席に並んで揺られる。
なんだかちょっと、というかやっぱり。
ちぐはぐで、変な3人。
「今日、雨降んなくてよかったねー」
「あ・・・うん」
私の言葉に、久保多さんが小さな声で答える。
大野くんの方を見たら、退屈そうに俯いてた。
次で、最寄りの駅だというアナウンスがされて。
荷物をまとめて大野くんを見る。
「降りないの」
「うん。」
「・・・なんで？」
「久保多さん送るよ」
「えっ・・・」って。
久保多さんが顔を上げる。
「もう暗いし」って。
大野くんが私越しに久保多さんを見る。
なんで？って。
思ったのは多分本当。
心臓が、ぎゅうって掴まれたみたいに痛くなったのは。
きっと気のせい。
「大っ嫌い、」
むしむしする天気も。
絲ちゃんを、心の底からかっこいいって思ったのに。
嘘だと思われたのも。
ニノと、潤ちゃんが顔を見合わせて苦笑いしたのも。
私にだけ優しくない大野くんも。
今日はみんな大嫌い。
家に着いたら。電気は消えていて。
パッと明るくなった部屋に浮かんだのは。
「釣り行ってくる」ってお父さんの字で書かれたA4の紙。
なんだか、ついてない日。と。
ぼやけた視界を擦って誤魔化す。
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作者名：ネズム | 作成日時：2019年12月27日 22時
