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第8話 ページ9





伏黒恵は困惑していた。


虎杖が最後に会いたいと言っていた碌でもない人物は、五条と顔見知りで、しかも話の内容を聞く限り良い関係とは思えない。


虎杖と五条の発言から、女性の名前が【右京A】ということが推測できる。

そして彼女も自身と同じ呪術師ということも。



しかし、彼女に虎杖悠仁の事を細かく教える必要性があるのかは理解できなかった。


特級呪物にしろ、それを食べたこと、死 刑 について、親しい仲だから知る権利があると言われればそうだが、それでも違和感を感じる。



「(五条先生には何か考えがあるのか…?)」



この伏黒の考察の答えは、案外早く出た。



____




悠仁の真っ直ぐな目に何か言葉を返さなくてはと焦っていた時、パチンっという手を叩いた音がその場に響きわたった。



「これで右京も悠仁の事をこのまま黙っている訳にはいかなくなった。しかし彼の決定を老人共が変えるわけがない。

だからここで新たな提言をしようと思う」


「新たな…提言?」



私の返答に発言した張本人はにぱーと笑ってピースをしてきた。その反応の主旨がわからず首を傾げる。



…いや待て。この顔の特徴を先輩から聞いたことある。昔からこの男は面倒事しか起こさず、その時は決まって意味深な笑みを浮かべ___


しかし今更気づいても時既に遅し。



「他人の呪力を操作できちゃう右京を虎杖悠仁の監視役とし、執行猶予の延長を求める。

その為にも右京には呪術師として復帰してもらう感じだからよろしくねー」

「いや、えっ?は?」



「これで解決!」とグッジョブをするこの男を今すぐ殴りたい。いや殴っていいよな。殴らせろ。


隣で「A姉ちゃんも呪術師だったのか!?」と騒ぎ立てる悠仁を物理的に黙らせ、溜息をつく。


確かに五条悟の提案なら、私が近くで見守る事も可能。万が一、上層部(アホ共)が何かしてきても守る事ができる。


仙台という遠い場所からではなく、呪術高専という近くで見守れるなら私にとっても良い案…だが。



「(この男に上手く利用されている事実がムカつくんだよなー!!)」



どうするの?と、いつの間にか悠仁とアルプス一万弱をやっていた奴にカチンとくる。



絶対今度マジで殴ろうと心に決め、おじいちゃんとの約束を振り返り、自身のちっちゃなプライドを捨てた。


頭を乱雑に掻きながら、ワタシは目隠し男に向かってぶっきらぼうに「わかったよ!」と言い切ったのであった。

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テヌ。(プロフ) - 若葉さん» 若葉さま。コメントありがとうございます。そのように言っていただけてとても嬉しいです!これからも頑張ります! (2020年5月22日 0時) (レス) id: b4b50e7b68 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - この作品面白くて好きです!!頑張ってください! (2020年5月21日 8時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
テヌ。(プロフ) - 茉優さん» 茉優さま。コメントありがとうございます。また心配してくださりありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しいです…!無理しない程度にこれからも頑張らせて頂きます(^^) (2020年4月20日 1時) (レス) id: b4b50e7b68 (このIDを非表示/違反報告)
茉優(プロフ) - ずっと応援してます!お体に気をつけてくださいねお大事に! (2020年4月19日 9時) (レス) id: b60e3eafa2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テヌ。 | 作成日時:2020年4月12日 2時

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