第24章 ページ27
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「っクソオオ!負けたー!!」
周りの視線なんて気にせず、騒がしい建物から出て叫ぶ。安定の負け。所持金の半分が飛んでった
何でこんなに弱いんだろうと嘆いていると、ポケットに入れておいたスマホから着信音が鳴った。
悠仁かなと思い画面を見てみると、そこには釘崎野薔薇ちゃんの文字
そういえば、アドレス交換したなと思い出しながら、応答をタップした
「やっほー野薔薇ちゃん。どうした?」
「あの…勘違いなら申し訳ないんですが、反対側の道路で叫んでいたのAさんですか?」
「んえ?」
パッと顔を上げると、そこには呆れた表情をした野薔薇ちゃんの姿。「せいかーい」と呑気に答えれば、彼女はため息をついた
通話を切り、タイミングよく青に変わった道路を渡る。野薔薇ちゃんは私服姿だったため、プライベートでここに来たのかと問うと、少し違うと返された
「私はアメ横に行きたかったんです。てか満喫してたんですよ。なのにアイツ等のせいで…」
「?アイツ等ってだ…」
「悠仁と恵のことだよ」
「!!?!??」
突如背後から声をかけられ、反射的に3歩くらい距離を取りながら振り向く。そこには悪気なんて一切ないように片手を上げる男の姿があった
どうしてここにこの人が、なぜ野薔薇ちゃんと一緒にという混乱から二人の顔を交互に見てしまう
そんな私の様子に野薔薇ちゃんは五条悟に向かって「相当嫌われてるじゃん」と笑いながら言い、その言葉に彼は「違う違う、あれは照れ隠し」と返す
照れ隠しじゃないし、何でこの人がここにいるかも謎だし、タイミングよく出てくる辺り…
「え、野薔薇ちゃんこの男と買い物に来たの?」
「Aさんってクールビューティーと思いきや、結構アホなところあるよね」
「それはどういうことだ野薔薇ちゃん」
クールビューティーではないが、アホとはなんだ。アホとは。それだと悠仁と同等になってしまうではないか
何か弁明をと考えていると、五条悟が手を鳴らし私と野薔薇ちゃんの注目を集めさせた
「右京がアホなのは置いといて、そろそろあの二人のところに移動するよ」
「置いておくな!…てか、あの二人って」
「バカ二人のことですよ!アイツ等が余計なことをしたせいで私のアメ横がー!」
嘆いている野薔薇ちゃんを横目に、段々と嫌な予感がしてきた私は徐々に二人から距離を取っていく
しかし、そうはさせまいと鬼の形相の野薔薇ちゃんによって捕獲されたのであった
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テヌ。(プロフ) - 若葉さん» 若葉さま。コメントありがとうございます。そのように言っていただけてとても嬉しいです!これからも頑張ります! (2020年5月22日 0時) (レス) id: b4b50e7b68 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - この作品面白くて好きです!!頑張ってください! (2020年5月21日 8時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
テヌ。(プロフ) - 茉優さん» 茉優さま。コメントありがとうございます。また心配してくださりありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しいです…!無理しない程度にこれからも頑張らせて頂きます(^^) (2020年4月20日 1時) (レス) id: b4b50e7b68 (このIDを非表示/違反報告)
茉優(プロフ) - ずっと応援してます!お体に気をつけてくださいねお大事に! (2020年4月19日 9時) (レス) id: b60e3eafa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テヌ。 | 作成日時:2020年4月12日 2時