第23章 ページ26
ログインできなくて焦りました。
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悠仁達との原宿の一件後、休み開けからここ数日間、任務だらけで忙しい日々を過ごしていた。
理想のアパートを見つけ、契約も済んだ。ホテルを出て新居へと移れそうなのに、忙しいせいで中々行動に起こせていない。
そのせいで送迎してくれる伊地知さんや、新田ちゃんに愚痴を言うのが日常化しつつある。あの二人も上からの圧力とか、そういうのに苦労しているのに申し訳ない。
今度お詫びの品として、お菓子か何かを渡そう。
そう心に決めながら3級程度の呪霊を倒していると、右ポケットに入っているスマホが急に震えた。
いったい誰なのだろうか。
最後の呪霊を倒し、スマホの画面を見ると、そこには[虎杖悠仁]という文字があった。
「もしもし、悠仁どうしたの?」
「あ、A姉ちゃん?今日って暇?」
「突然過ぎて意味分からないけど、任務ならさっき終わらせたから暇だよ」
悠仁の唐突な誘いにそう答えながら、私は伊地知さんが待っている場所まで歩いて行く。帳もすでに上がっているため、黒い車は見つけやすかった。
伊地知さんの姿を見つけて左手を上げれば、会釈を返された。多分お疲れ様の意味だろう。
相変わらず真面目な先輩である。そういうところが好きなんだけど。
電話越しの悠仁が嬉しそうな反応をしてくる。
私の返答が良いものだったのか、興奮気味に「アキバに来てほしい」と言って電話を切ってきた。
なぜアキバにという疑問が残りつつも、久しぶりに悠仁に会えるという嬉しさが勝り、私は伊地知さんに行き先をホテルからアキバへと変えてもらった。
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他愛もない話を伊地知さんとしていたら、あっという間にアキバへと着いた。相変わらずここは賑やかな場所である。
伊地知さんにお礼を言い、悠仁に電話をかける。
しかし、一向に出る気配がない。通知音が暫く鳴り続けたあと、留守番電話サービスへと繋がった。
「ったく。呼び出すなら場所くらい教えろ」
簡易メッセージアプリを開き、悠仁に何処にいるのかを聞いた。既読がつくまで時間がかかるだろうと予想し、スマホをしまう。
ため息をついた時、馴染みある騒音が反対側の道路から聞こえてきた。派手な色使いに、中に陳列する機械。
「そういえば最近やってないじゃん!」
青に変わった横断歩道を横切り、私はパチンコと書かれた建物の中に入っていった。
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今は外出を自粛しましょう。
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テヌ。(プロフ) - 若葉さん» 若葉さま。コメントありがとうございます。そのように言っていただけてとても嬉しいです!これからも頑張ります! (2020年5月22日 0時) (レス) id: b4b50e7b68 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - この作品面白くて好きです!!頑張ってください! (2020年5月21日 8時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
テヌ。(プロフ) - 茉優さん» 茉優さま。コメントありがとうございます。また心配してくださりありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しいです…!無理しない程度にこれからも頑張らせて頂きます(^^) (2020年4月20日 1時) (レス) id: b4b50e7b68 (このIDを非表示/違反報告)
茉優(プロフ) - ずっと応援してます!お体に気をつけてくださいねお大事に! (2020年4月19日 9時) (レス) id: b60e3eafa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テヌ。 | 作成日時:2020年4月12日 2時