第四幕 ページ6
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夜の帳が落ちると、屋敷が騒がしくなる。
妖怪の住まうこの屋敷ではそう珍しい事では無いが、
いつも以上に騒がしさが増している。
玄関の方で何かしている様だ。
_______騒がしいのなら、部屋の近くには誰も居ないか…
Aは煙管に詰まった灰を捨てると、
立ち上がり、廊下の襖を開ける。
すると、季節外れの桜の花びらが風と共に流れてくる。
______最後に桜を見たのはいつだったか…
何も知らずに無邪気に遊んでいた頃の思い出は、
いつの間にか記憶の片隅にへと消えていた。
夜リクオ「_____よう。
久しぶりじゃねぇか…姉貴」
人が居た事に驚きつつも、
声のする方へと視線を移す。
妖怪の姿へと変わっていたリクオが、
しだれ桜の木の枝に座っていた。
夜リクオ「この姿で会うのは初めてか?
最も、人間の俺でも久しぶりだろうが_____」
軽々と地面に着地すると、Aの立つ縁側に座る。
夜リクオ「_____飲むかい?」
いつの間にか酒瓶を手に持っていたリクオは、
Aに銘柄を見せる。
Aは口角を上げると、リクオの隣に座った。
夜リクオ「___餓鬼の頃は、
こうして二人で団子でも食いながら月見をしてたな」
リクオの話を聞きながら、
Aは月を眺めては注がれた酒を飲む。
夜リクオ「______俺は三代目を継ぐぜ。
姉貴に譲る気は更々無ぇが、姉貴はどうなんだ?」
そう言いながらも、リクオの目は自信で溢れていた。
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作者名:天天 | 作成日時:2023年7月17日 21時